
これは実話だそうだ。勘当を受けホームレスとなり、ロンドンの街角で僅かな金を稼ぐため自作の音楽をギターで奏でるジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)。
見向きもしないで通り過ぎる人々。一日の稼ぎは小銭が少々。食べ物の値段にはちょっと足りない。そんな彼を店員は冷たく追い出す。
ゴミ箱を漁り僅かな食べ物を口にする。そして手を出してはいけない薬物に逃避する。捕まった彼をソーシャル・ワーカーのヴァル(ジョアンヌ・フロガット)は、彼に住居を与えて薬物から抜け出すための指導を始める。
そんなある日、湯船に浸かりながらのんびりとしているとどこかで音がする。そして見つけたのは、窓の隙間から入った茶トラの猫。なけなしのミルクを与える。夜、寝ていると猫もベッドに上がり込む。出かける時もついてくる。
隣人のベティ(ルタ・ゲドミンタス)が「ボブ」と名付ける。以来、一人と一匹は一心同体となって駅前での演奏を続ける。見向きもしないで通り過ぎる人が少なくなり、周りを人だかりが囲むようになった。ボブの可愛い姿に人々が癒されるのだろう、囲む人の笑顔が並ぶ。
やがて出版社の編集者の目に止まり、ジェームズは本にした。ベスト・セラーとなり、ジェームズは家を建て文字通りホームレスから脱却した。めでたしめでたし。
心温まる癒しの映画だ。ついでに、我が家にも茶トラがいる。こちらは「茶太郎」という名前だ。この茶太郎、なんのとりえもない猫で臭いスプレーでこちらを困らせる。ボブとは雲泥の差。




監督
ロジャー・スポティスウッド1945年1月カナダ、オンタリオ州オタワ生まれ。もともと編集者で1982年「48時間」で脚本を担当。エディ・マーフィを一躍有名にした。
キャスト
ルーク・トレッダウェイ1984年9月イギリス、イングランド、デボン、エクセター生まれ。
ルタ・ゲドミンタス1983年8月イギリス、イングランド、ケント、カンタベリー生まれ。
ジョアンヌ・フロガット1980年8月イギリス、イングランド、ノースヨークシャー、スカボロー生まれ。
茶トラのボブ 推定年齢12歳 ロンドン出身か?