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映画「バッド・ルーテナントThe Bad Lieutenant ’09」劇場公開2010年2月

2010-12-19 12:34:15 | 映画

              
 まさに悪徳警部補テレンス(ニコラス・ケイジ)。ハリケーン「カトリーナ」の影響で留置場が水浸しになり、どんどん増水していた。収容されていた男が必死に助けを求める。
 テレンスは溺れ死ぬのを楽しんでいるようだったが、何を思ったのか濁った水に飛び込んだ。男を助けたが腰痛という直らない持病を持つことになった。

 医者の処方薬では痛み止めの役に立たず、勢いドラッグを吸引するようになる。このテレンス腕はぴか一なんだが、いささか品行に欠ける。
 フットボールの賭けの借金、娼婦の恋人を殴ったといて相手の男を痛めつける。重要証人の居所を教えろと介護施設の老婦人の酸素吸入パイプを外して脅す。麻薬捜査官の動向をヤクの元締めに知らせて、情報料をとる。

 ヤクでラリって幻覚まで見る。それでもこの男には運がついている。難事件の解決や諦めかけたフットボール試合が逆転勝利で配当が転がり込む。事件解決で警部に昇進して、娼婦の女と結婚子供まで孕んでいた。
 普通の男ならここで品行を改めようとするが、この男には無理だった。相変わらず不品行を続けていた。
 まあ、世の中には仕事は出来るが、女や金にだらしない男も一杯いる。考えてみれば、マニュアルどおりに動く人間ばかりがうまくいくとは限らない。毒のある植物や生物の例もあるように、自然の摂理のようなものなんだろう。
 優等生ばかりの世の中を考えてみると、なんだか面白みのない人生のような気がしてくる。この映画の監督は言っている。「この映画で描いてあるのはドラッグじゃない。“邪悪な喜び”という概念がポイントになってくる。“誰がよくて誰が悪い”という定義は重要ではない」不品行から生まれる問題解決能力もあるはずという視点なのだろう。
         
監督
ヴェルナー・ヘルツォーク1942年9月西ドイツ、ミュンヘン生まれ。ニュージャーマン・シネマの旗手として注目され、「蜃気楼」「小人の饗宴」「カスパー・ハウザーの謎」などの異色作を発表。

キャスト
ニコラス・ケイジ1964年1月カリフォルニア州ロングビーチ生まれ。’95「リービング・ラスベガス」でアカデミー主演男優賞受賞。
エヴァ・メンデス1974年3月テキサス州ヒューストン生まれ。
              
ヴァル・キルマー1959年12月カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。
コメント
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