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大リーグ ヤンキース・ペティット好投、松井は驚くほど不振

2009-04-11 16:49:48 | スポーツ

            
             ぺティット投手
 現地時間4月10日カンザスシティ・カウフマン・スタジアムで行われたヤンキースVSロイヤルズのオープニング・ゲームは、ペティットの好投で、4-1で勝った。 この試合はなんと言ってもペティットの投球に尽きるようだ。7回を99球で賄い、被安打3、失点1、奪三振6、四死球1という素晴らしい投球だった。彼としても満足のいくものだっただろう。これに、サバシアと王建民が復調すれば波に乗れそうだ。
            
             不振に喘ぐ松井秀喜
 その中で不調に悩むのは、松井秀喜だ。この試合も無安打で、打率.071は目を覆うばかり。固め打ちで打率をあげないと、7月末までにトレードの危険もある。
 ジェラルディ監督は、うちは10人のレギュラー選手が居ると言っている。つまり松井の代役には事欠かないというわけだ。
 スポーツ選手は怪我がすべての引き金になる。それが原因で不調になり、レギュラーをはずされ、そうこうするうちに他球団へトレード。そしていつの間にかリタイアしていたという例が多い。ジェラルディは、トーリのように我慢強くなさそうだしね。松井秀喜には、まだこのまま終わって欲しくない。
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短編小説を読む 1990年~2007年エドガー賞全集(4)

2009-04-11 12:54:22 | 読書

            
 アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の最優秀短編賞受賞作を、1990年から2007年までを収めたものである。ミステリーの始祖、エドガー・アラン・ポーの胸像を贈ることからエドガー賞とも呼ばれている。

1998年受賞作 ローレンス・ブロック「ケラーの責任」

 この受賞作品集は、殺人に関する短編でありながら、血なまぐさい現場はほとんど出てこない。長々とどのように殺したかという記述をするスペースが無いこともあるだろう。
 原稿用紙30枚から60枚程度であれば贅肉の部分はそぎ落とさなければならない。一度この程度の長さの小説を書いてみれば実感できる。
 ケラーは、プロの殺し屋だ。ターゲットの写真を持たされているが、どんなによく撮れた写真でも、日常の暮らしの中の姿を見ることには適わない。ここテキサス州ダラスの豪壮な大邸宅で開かれているパーティに下見に入り込んだ。これらのパーティ人種は、友達の友達を呼ぶ関係でホストあるいはホステスは、半数の客が見知らぬ人たちということになる。
 レンガ敷きの通路を歩きながら、長い足のグラスのカクテルをちびりと飲んでスイミング・プールに足を向けた。プールの周辺には若い何組かのグループが、酒を飲みながら談笑していた。少年がひとりバカでかいプールを往復していた。
 ケリーは物思いにふけっていて、ふと気がつくと少年の姿が見えない。プールの端で水泡が沸きあがっていた。ケリーはとっさの判断で、上着とズボンを脱ぎ飛び込んだ。
 少年の命を救ったケリーに話しかけたのは、少年を溺愛する伯父でホストのウォレス・ベンローズ・ギャリティだった。何のことはない、まさにターゲットだった。夕食に招待されてマイクと名乗り、高級なブランディやキューバ葉巻を振舞われた。おまけにギャリティは、自分のところで働かないかと持ちかけてきた。しかも、高給で。
 ようやくケリーは考え始めた。これは人生の転機になるのか。しかし、ひたすら殺し屋人生を送ってきたケリーは、常に偽名の人生だった。人を雇うのに身元を確認しない雇用主はいない。いずれケリーの実像が暴かれることになる。まっとうな人生への招待は諦めざるを得ない。
 ギャリティとマイク(ケリーの偽名)は、書斎でお互いの立場を理解し、ギャリティは癌に侵されていて余命僅かと語る。ギャリティ自身は、銃の暴発事故を装って自殺も考えたが踏ん切りがつかず、かつてある男に「誰かを殺す必要が生じたら連絡してくれ」と言われたのを思い出してその通りにした。しかも殺すのは自分自身。
 これは失敗だった。生への執着が心に不安を与えた。人生は、つぎの角を曲がったら何があるのか、分からないからこそ生きていけるともギャリティは言う。癌の進行に伴い痛みはひどくなるが、耐えながら生涯を全うするよとも言う。嘱託殺人は解消された。しかし、契約金は予定通り支払われる。
 ケリーは、窓口になっているエージェントの女性ドットに電話をする。「ドット、もう少しこちらにいるよ。気の合った女性と知り合ったんでね」そんな女性がいればいいが。ケラーにとって好意の殺人は初めてだった。ギャリティの苦しみの解放に手を貸すのはケリーの優しさだった。
 さて、どんな方法で? 遺族を納得させるためには、事故に見せかけ少しの疑問も浮かばないような。足を滑らせて転倒! それもいい。いっそのことバナナの皮を散らしておくか。どうもうまくいきそうにない。ケリーなら何か考えつくだろう。わたしにはムリだ。おそらくプロの殺し屋には向いていないのだろう。
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