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映画 9年ぶりの再会「ビフォア・サンセット(‘04)」

2006-04-18 13:10:03 | 映画
 ‘95年「恋人までの距離」の続編。続編が9年後制作され、前作で一夜をともにしたジェシー(イーサン・ホーク)とセリーヌ(ジュリー・デルビー)の再会も9年後という設定。制作と物語の時間経過が同調されていて、本編の時間経過も、「シェイクスピアと仲間たち」という書店で再会した二人が、カフェに立ち寄り観光船に乗ってセリーヌのアパートまでの時間の80分の長さに同調して収めてある。
                
 9年という時間の経過は、二人にどんな影響があったのか。お互いの仕事や家族、恋の遍歴、自己分析を経て微妙な心の揺れを描出する。徹底したセリフ中心の作風は、演じる俳優に相当負担を与えているだろう。とにかく、書店を出てパリの小道を歩き、セリーヌのアパートにたどり着くまでセリフが途絶えることがない。
               
 自然な会話ほど難しいものはない。それに目線の置き所やしぐさも自然に見えなくてはならない。イーサン・ホークとジュリー・デルビーはよく演じていた。オープニングで出てくる表通りから入った小道のパリの街は、木々の影が舗道や建物に黒い模様を投げかけ、午後の陽射しの柔らかさがいい雰囲気を醸し出していた。こういう場面を見せられると、作品の知性や品位までも好ましく感じられるから不思議なものだ。ジェシーとセリーヌの会話で全編を貫くという異色の演出であるが、余韻の残る作品となっている。
                
 監督は、リチャード・リンクレーター1960年7月テキサス州ヒューストン生れ。キャストは、イーサン・ホーク1970年11月テキサス州オースティン生れ。’01年のデンゼル・ワシントンと共演した「トレーニング・デイ」でアカデミー助演賞にノミネートされる。ジュリー・デルビー1969年12月パリ生れ。1985年からのキャリア。なお、脚本を監督とイーサン・ホーク、ジュリー・デルビーの三人で書き上げたそうだ。
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