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科学ミステリー マイクル・クライトン「プレイ=獲物=」

2006-04-08 15:09:46 | 読書
 新聞紙上でもよく目にする記事にナノテクノロジーがある。ナノテクノロジーとはどういうものなのか。この本から引用してみると「簡単にいえば、ナノテクノロジーとは極微小(ナノ)サイズの機械を造る技術だ。単位は100ナノメートルつまり、1000万分の1メートル。人間の髪の毛の太さと比べても、これはわずか1000分の1という小ささでしかない。専門家らは、これらの極微小マシンは、超小型コンピュータの部品から新方式のがん治療、新型兵器にいたるまで、さまざまな用途に用いられるだろうと予想している」

 最近の新聞にも総合科学技術会議(議長・小泉首相)は、第3期科学技術基本計画(06~10年度)の期間中、重点的に実施する62の「戦略重点科学技術」の中に医療技術にも力を入れ、ナノテクノロジーを活用して早期がんを診断する。再生医療では心筋と血管、肝臓の再生を順次実現する。脳研究も進め、自殺率を減らしたり、情報科学を使って脳の信号を解読したり、思うだけで機器を操ることが出来る技術を開発するというのがあった。この医療技術の開発目標だけ見ても、人間はいつ死んだらいいのかと思ってしまう。

 かつて人生50年といわれた時代があった。今、平均寿命が80歳に達しているが、将来は120歳になるだろうといわれている。すべてががらりと変わりそうなのがナノテクノロジーだろう。

 この本もナノテクノロジー技術を駆使して赤血球よりもはるかに小さい超小型カメラが製造される。これを軍事用に転用するとすれば、小さくて軽いということは強い風に弱いということになる。これでは実用にむかない。そこで開発した会社は、ナノ粒子の仕様を変更し太陽発電機構とメモリーを付加し行動プログラムも書き換えて遺伝的アルゴリズムを組み込んだ。そのうえ、ナノ粒子を砂漠に解き放ち、勝手に増殖し、進化して、自力で生き延びるすべを見つけるかどうかに賭けた。賭けは成功した。

 これらはまるで生き物のように攻撃性をおび人間に乗り移って残忍性を発揮する。これらを殲滅するサスペンスは、読み始めたら止まらないという本であります。一気に読んだというわけです。
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