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映画 「エイプリルの七面鳥(03)」

2005-09-18 11:44:17 | 映画
 家出している娘のエイプリル(ケイティ・ホームズ)から、感謝祭に初めての七面鳥の料理を作るから来てほしいというわけで、夫のジム(オリヴァー・ブラット)、妻のジョーイ(パトリシア・クラークソン)、息子のティミー(ジョン・ギャラガー・ジュニア)、娘のベス(アリソン・ピル)の一家四人とジョーイの母親ドッティ(アリス・ドラモンド)を伴って、ニューヨークに住むエイプリルのアパートへ向かう。

 ジョーイは乳がんの手術を受け、放射線治療の後遺症に悩みあまり行きたがらない。エイプリルとの折り合いの悪さを“思い出すのは、万引きや台所の火事だけ、ドラッグとか親不孝ばかり母乳をやれば咬みつくし、ガンもあの子のせいよ。行けないわ”と言うかと思えば、家族を突然恐怖のどん底に落とし込む。

 車の中で、“「ジム、ちょっと停めて」とジョーイ。家族が「大丈夫?気持ち悪い?外に出て新鮮な空気を」と気遣う。「平気よ。ただ なかなか言い出せなかったけど、今のうちに聞いてほしいの。なんていうか、みんな心の準備を」家族は悪い話だろうと不安な表情。「それぞれ考えておいてね。いかにして気づかれずに料理を捨てるか」「やめてくれジョーイ」とジム。「悪い冗談だ」それにひるまずジョーイは「私の作戦はね。一口かじってせき込んで、口元に当てたナプキンにそっと吐き出すの。それからトイレに立って流しちゃうわけ」エイプリルの七面鳥は食べられないと匂わす。

 一方エイプリルは、七面鳥料理に取り掛かるが、オーブンが故障で近所に助けを求めて右往左往する。黒人夫婦の細やかな気遣いや中国人家庭の温かさに触れ改めて家族というものの大切さが身にしみる。

 ご家族ご一行様は、エイプリルのアパートの前に着いたが、入り口は落書き一杯でみすぼらしく、突然現れたエイプリルの恋人黒人のボビー(デレク・ルーク)に面くらい逃げ出しファミリー・レストランに立ち寄る。そのトイレでジョーイは、母親に叱られている少女を見て、かつてエイプリルに同じことをしていた自分がそこにあった。レストランにいたバイカーに頼んで、バイクの後ろに乗せてもらい、会いたくないと思っていたエイプリルのアパートに決然と向かう。残った家族も合流する。

 ジョーイが今までの悪態を忘れたかのように、家族の絆を確かめるアパートの場面は一言もセリフがなく、静止画を中心にした画面構成で、中国人家族やバイカーまで写っていてアット・ホームな雰囲気。セリフがなくても十分伝わってくる。最後は、セルフ・タイマーで家族の写真を撮る。これでようやく家族全員の写真が撮れた。世間の家族と同じように。Happy Thanksgiving!

 監督ピーター・ヘッジズ キャストケイティ・ホームズ「フォーンブース」「バットマン・ビギンズ」期待される女優。パトリシア・クラークソン芸歴は古く「ダーティ・ハリー5」「グリーン・マイル」など。オリヴァー・ブラッド「評決のとき」ほか多数。デレク・ルーク、アリソン・ピル、アリス・ドラモンド、ジョン・ギャラがー・ジュニア、ショーン・ヘイズ。

 パトリシア・クラークソンは、2003年全米批評家協会助演女優賞受賞。アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、インデペンデント・スピリット賞、放送映画批評家協会賞に助演女優賞でノミネート。
パトリシア・クラークソンばかりでなく、アリソン・ピルやジョン・ギャラがー・ジュニアも目立たないところでの演技がごく自然で的確だった。この人たちも将来どんな俳優になっていくのだろうか。楽しみではある。
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