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お気に入りの表現(8)ロバート・B・パーカー「スター・ダスト」早川書房から

2005-03-12 13:29:41 | お気に入りの表現

 “私はチェロキーを四輪駆動にし、四輪駆動車に乗っている男しか味わえない尊大な気分で運転していた”

 チェロキーは、クライスラーのジープのこと。四輪駆動車にはフルタイムとパートタイムの2種類がある。フルタイムは常時四輪で駆動している。パートタイムは市街地などの走行は普通の車と同様二輪駆動で、雪やオフロードなどでは四輪駆動にするというもの。このチェロキーは、四輪駆動にしと言っているのでパートタイムである。

 私も10年以上四駆に乗っていた。買ってしばらくは尊大な気分でわざわざ林道に走りに行ったり、関東地方に滅多にない雪が降ったりとなればいそいそと車で乗り出したものだ。10年以上乗っていてトランスファー(四輪駆動にしたり解除したりする装置)を使う機会が数えるほどしかない。結局四駆の必要性はなく、今は2WD車に乗っている。四駆が必要とされるのは、寒冷地や砂漠、荒地の多い地形などになる。

 遊びで乗るのであれば、むしろ2WD車で雪道やオフロードを走破するのが、スリルと満足感が得られる。運転の腕が上がることも付録としてある。もっと若ければ、ボロ車を買って腹をこすろうがボディに傷がつこうがお構いなしに、人や車のこない林道を思いっきり走って、山の端から昇る朝日に、あるいわ沈む落日を熱いコーヒーとともに眺めるのは言い知れぬ喜びである。これこそ男にしか分からない気分だろう。そして尊大な気分も消え去っている。
コメント
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