MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

ボランティアの熱意

2006-08-09 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
月曜日、「大阪府1000人ボランティアプロジェクト研修会」に参加してきました。
このプロジェクトは今年2年目で、医療や教育、災害、観光の場面で通訳ボランティアを活用するという主旨だそうです。
この日は、日本におけるパブリックサービス通訳の現状と必要とされる資質についてお話させていただきました。会場は参加者120名で埋め尽くされ、外の暑さもあって熱気ムンムン、迫力満点でした!いやあ、緊張しました!!食事前の時間だったので、寝ていらっしゃる方は皆無で、皆さん本当に熱心にノートを取りながら私のつたない話を聞いてくださいました。感謝、感謝です。熱心な参加者の視線がガンガン返ってくるのでこちらも負けじとがんばって話しました。
いつも思うのですが、パブリックサービス通訳は、こうした人たちの熱意に支えられているのだと痛感します。医療通訳もそのひとつですが、ボランティアの方々のがんばりが救いです。本来、こうした人権を保障するのは政府のはずなのですが・・・その議論はまた別の機会に。

ところで、行政の方で「ボランティアを使ってあげる」「ただでボランティアを活用する」というような言い方をする方がごく稀にいらっしゃいます。そういう言葉を聞くとがっかりします。ボランティアの人たちは皆さん真剣で、本気で地域社会をよくしようとか、自分の能力を他者のために活用しようとしています。だから、仕組みを作る人やコーディネートする人たちがそれ以上に真剣で謙虚でなければ、ボランティア事業はうまくいきません。現在のボランティア事業をコーディネートする人々がこうしたボランティアの心をつかみきれていないことに、定着の難しさがあると私は思います。

ただ、悲観ばかりもしていません。時々、とってもセンスのいい行政の方にお会いすることもあるのです。今風の言葉でいうと「いけてる」というか。思わず応援したくなる、そんな人がもっと現場に増えていってくれたらいいなと願っています。