MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

専門職の教養としての在日外国人理解

2013-12-09 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
去年の今頃は社会福祉士の国家試験で
目が血走っていましたね~。
合格した時思ったのは、嬉しいとかではなく
「ああもう一度(受験勉強)やらなくていい・・・」でした。

勉強しながら思っていたのは、
日本には外国籍住民が全人口の1.6%もいて、
なかでも低所得者層は福祉に関わるケースも少なくないのに、
あんなにたくさんある教科書の本の数ページ(それも事例)しかなくて、
外国人に関する記述が少ないなあということです。

当たり前の事ですが、
ケースに当たって、在留資格や言葉の問題、異文化への対応など
社会福祉士の人にも知っておいてほしいことはたくさんあるのに
書く人がいないのか、それとも新しすぎて教科書向けではないのか。
どちらにしても社会福祉のケースを担当するにあたって
教育現場での在日外国人に関する基礎知識が少なすぎると感じるのです。

それでも、勉強したい人は「滞日外国人支援の実践事例から学ぶ多文化ソーシャルワーク」がおすすめです。

今回のテーマ、「専門職の教養としての在日外国人理解」は
医療現場だけでなく、行政の窓口や教育現場などにもいえることなのですが、
専門職として学ぶ過程で、1コマでもいいので、
在日外国人の背景について学んで欲しいと思うのです。
例えば、看護学部では国際看護の中に在日外国人をテーマにしたコマを入れるところがあります。
国際看護といえば、国際協力や災害派遣のイメージが強いと思いますが、
実際の医療現場にやってくる在日外国人患者はそれよりもより身近な存在です。

看護師だけでなく、医師、薬剤師、医療事務、MSW(医療ソーシャルワーカー)といった人たちにも
「教養」としての在日外国人理解を学んで欲しいのです。
詳しくなくていいので、医療現場を訪れる外国人患者さんとその家族の
背景がわかれば怖くない(!)と思うのです。
また、逆に彼らに興味を持ってもらえればと思います。