MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

感情のもつれ

2012-07-16 09:20:02 | 通訳者のつぶやき
外国人の方から医師や病院を訴えたいという相談を受けます。

また、医療通訳の講座でも
外国人患者の医療過誤はどうしたらいいという相談をうけます。

医療過誤の相談を受けていると感じることなのですが、
訴えの中心が技術的なミスではなく、
医療者や医療機関との感情のもつれが主訴である場合が少なくありません。
(決めつけることはできませんが)

過誤に具体的な証拠がなく、
「医師が自分たちの目を見てくれなかった」
「看護師が外国人だからと言って避けたような気がする」
「カルテの名前を見て、あきらかに外国人なので厄介ばらいをされた」など
医療行為の前に、
外国人であることで何らかの拒否反応をされたように感じていたり、
そのことで治療がおろそかになっているのではないかと疑ったり。

実際の治療は普通に行われていても
感情のしこりが治療に対しての不満になるような気がします。

先日ある外国人患者さんと話をしていて、
彼女にとっていい医師とは
「友人のようにフレンドリーに接してくれる人」と言われて
私たち日本人が医師に求めるものと違うなあと感じました。
私たちは少しくらい無愛想でも腕のいい医師や
表に出さなくても心優しい医師を理想と感じますが、
国際化すると医師も感情表現を求められる時代が来るのでしょうか。