MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

医療通訳者を育てる会

2011-03-07 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
5日(土)第30回日本社会精神医学会に参加してきました。

スペイン語で診療をされている四谷ゆいクリニックの阿部先生と
帝京大学の帳先生が座長をされたシンポジウム8
「多文化社会とマイノリティ-難民移住者の適応とメンタルヘルス」
のシンポジストをやらせてもらいました。

日本における難民の現状、脱北者の現状、難民の精神医療場面など
様々な角度からの議論になりました。

フロアからは、
外国人患者を診たいけど言葉の問題が不安という話や
学会が何ができるかという提案がありました。

まだまだ精神科領域では外国人の問題は少数派であり、
参加人数も少なかったのですが、
シンポジストの一人である大正大学の野田先生が
「10年後にはもっとたくさんの人が外国人の問題に関心を寄せる時代が来るはずだ」
とおっしゃったのが、とても印象に残りました。

そして、外国人医療への関心の低い場所でこそ、
こういうシンポジウムは開催するべきだと強く思います。

先生方から何ができるかと聞かれたので、
「精神科医療の医療通訳者は精神科医が育ててください」と言いました。
医療通訳は研修や経験を経て医療通訳者になります。
その過程で医師のアドバイスや教えがとても重要になります。

MEDINTでも一番苦労しているのは
研修会の講師探しです。

医療通訳に関心を持ってくださり、
医療通訳を育てようという思いで講師を引き受けてくださる先生は
多くはありません。
無料でということではないのですが、
一般的な医師の講演料や報酬から比較すると低いですし、
医療通訳を育てようという思いがなければ引き受けていただけない仕事です。
そこで、「医療通訳者を育てる会」みたいなのが、
医師や医療従事者の方々の中からできたらいいなあと思うことがあります。

今後、医療通訳の制度化に向けて研修プログラムなどを作っていくとき
講師の数が足りなくなります。
そんなときに協力してくださる方々がいらっしゃれば助かります。
ただ、医療知識を持っているだけではなく、
医療通訳の背景や外国人医療への理解のある方でなければならないので、
そう多くはいらっしゃらないと思いますが、
少数精鋭でもそうした先生方との出会いを探していきたいと思います。

まずは、関西で眼科と耳鼻咽喉科の方!ご連絡待ってます。