MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

遠慮して生きている

2010-12-26 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
在日外国人の話をしてくださいという依頼は、
できる限り受けるようにしています。

なぜなら、多くの日本の人たちには
在日外国人の在留資格や外国人登録の大変さは理解しづらいし、
外国人が生活保護が受けられたり、公的保険に入れることを知らないし、
日本語は読むのが難しい言語で情報はとりにくいということが想像しづらいからです。

そういうハンデを背負っても彼らが日本に住んでくれているという事実。
自分の意志で日本に来ている多くの外国人は
そのことを言い訳にしたり、ひけらかしたりはしません。

スペイン語で相談にのっていると
彼らはずいぶん日本社会に遠慮して生きているなあと感じます。

病気もぎりぎりまで我慢してしまうし、
生活保護の受給が決まっても一日も早く自立しようと
就職活動に励んでいるし、
できるだけ日本社会に迷惑をかけないように生きていこうという
感じが伝わってくることが多いのです。

仕事して税金払っている住民なのだから
遠慮しないで制度を使えばいいと思っていても、
気を使って生きている人が多いのです。

だから在日外国人の人たちの苦労は、
日本人の目に見えないところに隠れてしまっていることが多い。
本当に援助の必要なところに届いて無く、
一部マスコミに報道されている生活保護の不正受給のようなケースが
すべてだと理解されてしまいます。

私が話をさせてもらうのは
彼らのまわりにその大変さを少しでも理解してくれる日本人を
増やしたいというのがその目的です。

私は外国人を同情したり特別扱いする必要はないと思っています。
ただ隣人としてその大変さを理解することは大切なことだと思います。

もし理解ができていれば「国に帰ったら」みたいなことを
軽々しく口にはできないと思うから。