MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

シンポジウムのお礼

2007-04-11 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
4月8日(日)、医療通訳研究会(MEDINT)の5周年記念シンポジウムを開催しました。
主催者の私でさえ、あまりの天気のよさと満開の桜に、一駅手前の夙川で降りそうになったくらいです(笑)。花見日和、統一地方選の忙しい日に、ご参加くださった皆様本当にありがとうございました。
今回のテーマはずばり「医療現場の言葉をつなぐ~手話通訳と言語通訳の出会い」でした。医療通訳制度も何も明確になっていないこの時期に、なぜ「手話通訳」なのか、時期尚早なのではないかと思われた方のほうが多かったと思います。その戸惑いも充分に理解できます。ですので、こんなにたくさんの方が参加されるとは思っていませんでしたが、実際に参加された方々に聞くと、「音声言語通訳(というのだそうです)」を違う角度から知ることが出来て、非常に有意義なシンポジウムだったとお褒めの言葉をいただきました。これはひとえに、基調講演者、シンポジスト、コーディネーターの人選が良かったのですと言いたいですね。
私達は、医療通訳の制度化を目指しています。そのためには、派遣だけでなく、人材養成や政策提言まで、幅広く日本社会における医療通訳のあり方を考えていかなければいけません。ただ、日本には私達が参考にできる制度が非常に少なく、どんなところにもヒントが隠れていると思いながら、日々勉強しています。
そういう意味では、手話通訳の業界は、受益者(言語通訳の場合なら外国人、手話通訳の場合は聴覚障害者)の情報アクセスの権利を、多くのボランティアが支えているという構造が私達医療通訳者と同じなのです。
ただ、医療通訳と違って、手話通訳者の裾野を広げるための手話サークルや組織が全国にあることです。一年に2回、全国大会も開催されていますし、会員向けに学習誌も発行されています。
ただ、ちらっと話していた中で手話通訳の方が、「言語音声通訳のほうが、手話通訳より上という認識がある。なぜなら、言語通訳は通訳と呼ばれるけど、手話通訳は通訳でなく、手話さんとか手話の人とか呼ばれるんですよ(笑)」とおっしゃっていました。
私達から見ると、認定制度もあり、奉仕員の報酬も少額ではあるけれどきちんと規定されている手話通訳の業界は、ずっと私達より上だと思うのですが・・・(涙)
とにかく、おなじ言葉をつなぐお手伝いをする技術者として今後も情報交換していきたいと思います。
詳細は、また報告書などでお知らせできると思います。その時はHPなどで広報させてもらいますね。お楽しみに。

PS:写真をとってくださったmcinetのIさん、ありがとうございました!