最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

木田金次郎と泊原発

2016年09月09日 08時21分26秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
9月2日掲載のタイトルは「木田金次郎と泊原発」。



 ニセコアンヌプリから雷電山まで東西に連なるニセコ連峰の山々からは、眼下に群青の日本海と岩内の街並み、それと北海道電力泊原発を見ることができる。多くの登山者がブログやSNSで泊原発に触れるのは、それだけこの建物の存在が気になるからだ。
 先週のニセコは雨が降り出しそうな空模様で、山歩きは諦めてニセコ高原と岩内を結ぶニセコパノラマラインを走った。岩内の街から原発までの距離は5~6キロ。3つのドームが海のすぐそばに建っている。
 岩内漁港の手前に木田金次郎美術館がある。少年時代から絵画への情熱を持ち続けてきた木田は、作家有島武郎との運命的な出会いにより、その生涯を岩内で過ごし、絵筆を握ることを決心した。有島が木田との交流を、小説「生れ出づる悩み」として発表すると、そのモデル画家として知られるようになるが、厳しい漁師生活の中で岩内周辺の自然を描き続けてきた。
 木田が原発周辺の海岸を描いたものはほとんどない。「ヘロカラウス残照」という作品には、泊原発沖の岩礁と白い波が描かれているが、原発の港をつくるためにこの岩礁は爆破された。
 岩内はすし屋が多い。8月末までの漁期のウニがこの時期の名物で、甘みのあるウニの香りが口の中に広がる。おいしい昆布が甘みの深いウニを育てるそうだ。泊原発に最後まで反対したのは岩内郡漁業協同組合、岩内の漁師たちだった。
                                         (メディカルはこだて発行・編集人)


ニセコパノラマラインから見える岩内の街並み(左)と北海道電力泊原発


ヘロカラウス残照


ウニがおいしかった岩内のすし屋





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