最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

函館おしま病院は新しいステージに挑戦

2023年12月31日 14時59分11秒 | メディカルはこだて
第87号では函館おしま病院の福徳雅章名誉院長を取材した。

函館おしま病院(函館市的場町)は、昨年12月に介護療養病床(36床)を廃止し、11月にはホスピス病床を20床から28床に増床した。同病院は昭和5年市内宝来町で「渡島病院」として開院、1985年(昭和60年)に現在地の的場町に移転した。2002年(平成14年)には福徳雅章医師が理事長・院長に就任して病院名を「函館おしま病院」に改称。2004年(平成16年)にはホスピス病棟を竣工し、医療療養病棟26床をホスピス病棟(緩和ケア病棟20床)へ転換している。今後は病院を緩和ケアに特化させるなど、新しいステージに挑戦する同病院の取り組みについて福徳名誉院長に話を聞いた。

 ー理事長・院長に就任以降は、これまで病院経営や診療に携わると同時に当地域における緩和ケアの普及・啓発及びネットワーク構築にも力を注いできましたが、2020年(令和2年)には理事長・院長を退任して名誉院長に就任しています。これはどのような意図があったのでしょうか。
 福徳「私が理事長・院長になったのは、この地域にホスピス(緩和ケア病棟)を造りたいということだけが理由でした。当時はホスピスをよくご存じ無い人が医療者の中にも多かったですが、20数年が経過し、今はホスピスや緩和ケアについては一定の理解が得られています。また緩和ケアを実践している病院として地域における自院の役割が対外的にも明確となり、他医療機関との連携も十分図れるようになりました。そこで院内における経営者としての役割を終え、残りの医師人生はより患者さんやご家族と向き合うことに時間を割こうと思いました。これは経営者になった時からずっと考えていたことでした」

 ー函館おしま病院は「癒し癒される心からの医療」という理念を掲げ、「ホスピスのこころ」を持って病院を運営してきました。福徳名誉院長にとって「ホスピスのこころ」とは、どのようなものか教えてください。
 福徳「ホスピスのこころとは、目の前の困っている人を放っておけない、何か力になりたい、という自然に発動する思いやりのこころである、と私は考えております。そして、そのこころから出た行動は決して自分の利益や満足のためでは無く、その人が救われたことを純粋に喜べる、ある意味、無償の愛と言ってもいいと思っています」


新しいステージに挑戦する同病院の取り組みについて説明をする函館おしま病院の福徳雅章名誉院長

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