最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

日本肺癌学会学術集会の上級演題に選出

2024年04月17日 21時13分33秒 | メディカルはこだて
第88号では函館五稜郭病院リハビリテーション科の浅地菜々子さん(理学療法士)を取材した。

昨年11月に千葉県幕張メッセで開かれた第64回日本肺癌学会学術集会で、函館五稜郭病院(中田智明病院長)リハビリテーション科理学療法士の浅地菜々子さんが発表した、「Ⅲ・Ⅳ期および終末期肺癌症例に対するリハビリテーションの現状」が上級演題セッション「多職種連携企画」に選ばれた。
同病院は2019年肺がん・呼吸器病センターを設立、肺がんの集学的治療の一環としてリハビリテーション(以下リハ)を積極的に行っている。「周術期リハと比較して介入方略の傾向は明らかではありません」。浅地さんは、同病院におけるⅢ・Ⅳ期および終末期肺がん症例に対するリハの現状を明らかにした。
広島大学医学部保健学科理学療法学専攻を卒業した浅地さんは、広島県の回復期病院等での勤務を経て、6年前函館五稜郭病院に入職した。
調査は2020年1月から3年間、同病院で肺がん登録された822例を対象とした。「全例のリハ処方の有無を調査。Ⅲ・Ⅳ期のリハ処方例について、初回処方時の入院契機、終末期介入の有無、実施内容を診療録より抽出しました」
結果は822例の72・2%、Ⅲ・Ⅳ期の62・5%にリハが処方されていた。「初回処方時の入院契機は内科治療(薬物/放射線療法)が最多で、実施内容は動作練習が最多(77・8%)でした。一方でレジスタンストレーニングや有酸素運動などの運動療法は内科治療例で20%、全体で10%の実施に留まっており、動作能力低下がある症例を中心に処方されていたことが推察されます」。終末期介入例は98例で、開始時点で動作練習が72例に実施されていた。「全身状態に応じて、ベッド上リハに移行していました。


「今後はリハ介入症例の治療継続性なども検証する
必要があると考えています」と話す理学療法士の
浅地菜々子さん
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