Fish On The Boat

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『まじめなとんでもない世界』

2017-12-28 03:13:18 | 読書。
読書。
『まじめなとんでもない世界』 奥健夫
を読んだ。

量子論を深く考えていくことでわかってくる、
「とんでもない世界」。

一番最初の宇宙って原子よりも小さいサイズで、
そこにすべての宇宙情報がつめこまれていて、
すべてがそこにあったから、
ぼくもきみもパソコンもスマホも、
山も魚も恐竜もみなそこでいっしょだった。
だから、この世のすべてはみな兄弟。

量子論をつきつめたり広げたりしてみていくと、
意識も宇宙もつながっているものだし、
宇宙ってもの自体が意識だ、みたいになるし、
そう見ていくと肉体って意識の入れ物にすぎなくて、
意識は過去から未来まで存在する永遠なものだ、
って仮説も立つ。

MITとかで仏教が注目を浴びているって話を読んだことがあるけれども、
なるほどなあそういうことですか。
まだ一般に広められない感じの話なのは、
受け取り手がオカルト色のつよいタイプの、
スピリチュアルに流されるきらいが濃厚だからだろうなあ。
受け取り手にオカルト耐性がないとうまく伝わりません。
もっとこの領域のことがはっきりわかってから、
うまい語り手が語ってやっと降りてくる話かもしれない。

ミクロの世界がいちばん広かったという話なんです。
ぼくには量子論をこまごまと理解する能力はありませんので、
ある程度の鵜呑みがあったり理解できない箇所はあるのですが、
なんだか妙に腑に落ちる部分があるのがおもしろい。
たとえばオカルト視されがちなユングの集合的無意識だって、
復権しそうなかんじ。

急にガンダムの話になるけれども、
アムロとかシャアの意識が宇宙に溶け込んでいて、
ユニコーンガンダムの最後でちょっとでてくるじゃないですか。
あれだって、こういうのを知るとよくできてるなあって思えもします。

本書は、文字が大きくて分量やページ数が少なく、
行間の多いタイプの本ですけれども、
そこに込められた内容の深さには、
胸がすくような興奮を覚えました。

科学者って、一般人よりも世界の尊さや広さ深さを十全に感じているもので、
そういうところ、こういう読み物を通じて、
うらやましいなあと思うのでした。


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