拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

勝負飯

2021-08-18 05:57:06 | グルメ


ラーメンを作って食べたら妙に味が薄い。すわっ、一大事。いよいよコロナか?違った。スープを入れ忘れた。逆にスープを入れなくとも野菜からこれだけ味が出るのだな。ドイツ語で言うところの「fein」な味だ。英語の「How do you do?」「Fine! Thank you!」の「fine」もいい意味で使うが、ドイツ語の「fein」は「繊細な」「上品な」と言ったニュアンスである。不思議なのは、これに「d」が付いて「Feind」になると「敵」になること。山梨で、びっくりしたときに言う「て」に「き」が付くと「敵」になるのと同じである(こじつけである))。閑話休題(次も閑話。なお、二つの閑話は後でつながる)。一般に「勝負飯」と言うと一大事の前に気合いを入れるために食す飯だが、私の用語例では、美女を落とすために振る舞う食事であって、それはカモのオレンジ煮である。だから、ヴィラ・イージマに連れ込まれてカモのオレンジが出てきたら、無害そうな表情のその裏に獣欲が充満しているから退散することをお奨めする。だが、そういう場合は多分合わせるワインとしてブルゴーニュが用意されているだろうから(カモにはブルゴーニュが合う)、ワイン飲みたさに退散をためらう美女がいるかもしれない。ワインを選ぶか貞操を選ぶか、究極の選択である(ワインを飲んでから退散するという選択もありうる)。写真は、昨日こしらえたもの。みかけは似てるが、美女を連れ込んでないから、これはカモではない。合鴨ですらない。トリのくせに飛べないニワトリである(うらにわにはにわにわとりがいる(急に言いたくなった))。カモは飛ぶから肉が赤いが、ニワトリは飛ばないから肉が白い(血液中のなんとかの有無による違いだそうだ)。すると、田舎のニワトリはそこそこ飛ぶから肉は赤いのだろうか?そう言えば、イカは海上を飛ぶ。だが、白い。辻褄が合わない。因みに、一昨日テレビで見たイカは9秒間、30メートルに渡って飛んでいたが、これはライト兄弟の初飛行(12秒間で36.5メートル)とほぼ同じである。なお、イカは水を激しく噴出してその反動で飛ぶ。しからば、「ゴジラ対ヘドラ」でゴジラが熱線を吐いてその反動で飛んだとき「これはないよ」と思ったがあながちあり得ない話ではないかもしれない。勝負飯に戻る。最後にカモのオレンジ煮を作ったのはいつだったろう。覚えているのは、ドイツの語学学校で先生の家にクラス全体でおよばれしたとき、各人が自分で料理したものを持ち寄ることになり、このとき私はカモのオレンジ煮を作って持っていった。先生やクラスメイトの評価は「fein!」であった(ここで、冒頭の話題とつながる)。このとき、クラスにもう一人いた日本人のH山君は、ちゃっかり日本人仲間の女子に手巻き鮨を作ってもらい、自分の作品のような顔をしてもってきた。H山君は銀行から派遣されていた。だいたい、そこそこの年齢でこの学校にやってくる日本人は、会社や役所から派遣された人達であり、私財をはたいてやってくるような暇人は私くらいのものであった。帰国後、そのH山君と千代田線の中でばったり会った。なんという偶然!せっかくだから一杯やろうということで、北千住で降りて居酒屋に入った。私はお金の持ち合わせがなかったが、H山君が後で返してもらえばいいと言ったからである。その後、H山君はどうしたろう。実はいいとこのお坊ちゃんらしく、帰国したら親が決めてるだろう相手と結婚すると言っていたが、北千住で飲んだときは結婚はまだだった。私の高校の後輩でもある。因みに、借りた金であるが、まだ返してない。20年前のことである。時効期間が過ぎているが、時効は援用しなければ完成しない。もちろん会ったら払いますとも。スパラフチレは必ず約束通り人殺しをするごとく、私も借りたものは必ず返す。だが、音信不通で払いようがない。私が背負っている唯一の借金である。