「森林で日本は蘇る(林業の瓦解を食い止めよ)」(白井裕子著)を読む
・作家の塩野七生氏は、経済大国から政治大国へ、そして文化大国が理想という。
・長い歴史と文化を持つ先進国の中でも、現代日本ほど大工を始めとする職人を社会の表舞台から裏へと追いやった国はない。
・近年で、木の値段が下がる原因の一つが補助金制度。山に木を植えて育て、道をつけ取り入れる仕事一つ一つに補助金が出る。中には、補助金は麻薬といってもらわない事業所もある。
・日本に大型林業機械を納めたメーカーの担当者は「日本に入れた機械は、ヨーロッパの3分の1しか動いていない」「日本は補助金で林業機械を買うから、ヨーロッパのように機械購入で借りたお金を働いて働いて銀行に返さなければならないという必死さがない」という。
・日本の林業は生産性は高くないが、安全性に問題がある。20歳から還暦まで40年働くと、25人のうち1人が亡くなる計算になる。
・日本の木材を輸出する場合は加工材はほとんどなく、輸入する場合は加工材が殆どである。
・森林環境税に関しても言及。目的も決まっていないのに国民は支払わされる。
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宮大工の故西岡常一氏の本の中に、宮大工は畑を作れという言葉がありました。食べ物は自分で確保せよということです。それだけ収入に恵まれていません。子供たちの学資も田畑を切り売りしてやりくりしたそうです。
それだけ職人というのは価値ある仕事をしながらも評価が低いということです。
映画監督の黒澤明氏は、監督と言われるよりも職人と言われたいと対談の中で語っていました。映画を作るにあたっていろんな職人がいます。その中の一人だという認識でしょうか。