先日、自転車を走らせたわけですが、湖畔の周遊道路を走っていると一匹のニホンザルを見かけました。
自転車を止め、猿を凝視したのですが、僕のことなど眼中にないという態度で悠然と穏やかな表情で佇んでいました。
猿と目を合わせてはいけない、といったことを聞いたことがありますが、そんなことはなく、実に達観した表情をその猿から読み取れます。
側では、ガザガザという餌を探している音がして、群れで行動する猿のボスなのかもしれません。
その帰りに、町中を通っている最中に、またもや猿に出合いました。
道路を横切り、塀に上り、食べ物を口にくわえながら僕を威嚇しました。
山の猿と町の猿、この違いはなんなのだろう。
山登りをしていても、猿の群れに出合うこともあります。
そんなときも猿の群れは、僕の存在など眼中にはないという態度で、それぞれの行動をするのみです。
食べ物を簡単に得ようとすれば、人間の生活圏に入れば、簡単に得ることはできるだろう。
でも、それと引き換えに、誇り高き野生の魂というものを失ってしまうのかもしれません。
山の猿を見ていたら、僕はなにか大切なことを気づかされたような気がしました。
注)写真は、昔、撮影したものです。