アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

我が輩は猫である

2007年03月23日 | 
070323

阿部謹也著『近代化と世間』を読んでみました。
日本社会を語るうえでは「世間」を忘れてはいけないことですが、この「世間」というのは実に厄介なものだなと思います。

この方の本を以前に読んだことがありますが、夏目漱石ほど「世間」を熟知している人はいなかった(?)といった内容でした。

だから、コンプレックスを持ち、文学とはないか?と考え極度のノイローゼになってしまったとか、誰よりも苦悩し続けた作家でもあったのです。

慣習という世間、社会人という世間。
一歩出ればがんじがらめで、夢や希望もなかったりします。

簡単にいってしまえば、世間はしがみつく社会だということ。
だから天下りという、しがみつくムラ社会しか作れない。
(それから外れれば差別と化し、だからやめられない)

本来、大学生活という期間は学ぶ期間であるはずなのに、遊ぶものという風潮がまん延している。(遊びも学びのひとつだと思いますが)
それは、社会に出たら、夢などないと知っているからであろう。

夏目漱石の『我が輩は猫である』を読んでいますが、出だしは
「我が輩は猫である、名前はまだない」で始まります。

あーそうかあ。
この猫は、世間の外側にいるのだなあと思った次第です。
この猫のように、日本社会を外側から眺めてみることも必要かなと思います。
漱石はそれを愉快、滑稽な小説として描き、第一級のユーモア作品に仕上げた。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする