アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

ヒロシマ

2005年08月06日 | アウトドアエッセイ
050806
真夏の広島は暑かった。

あの夏、僕は九州から渡り瀬戸内沿岸を自転車で走り、広島にたどり着いた。
ちょうど原爆の写真展が開催されていた。

見物人は外国の人が多く、真っ黒に日焼けした僕は、なんとなく後ろめたさを感じはじめていた。
しかし写真を見ていると、そんな後ろめたさは吹き飛んでしまう。

人殺しの悲惨さ・・ボタンひとつで廃虚にしてしまう偽りの正義・・


見終ると僕は炎天下の中、灼熱の砂漠を思わせるアスファルトの上を自転車を走らせる。
喉の渇きや、この暑さからどうやって逃げようか、そのことばかりを考えていた。

原爆にあわれた人達は、掻きむしるような喉の渇きを汚染された黒い雨で潤わそうとした。

その時の僕は少ないなりのお金で喉を潤すことができた。

ヒロシマを思う時、あの時の気持ちが蘇る。





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