日々適当

hibitekitou

普段色が厳密な色を扱う仕事ってしてないもので…

mac |2021-11-03

意識を全くしていなかったのですけど、色々なアプリから出したQuickTimeファイルをQuickTime Playerで見ると、色褪せ感じに見えるってことがあるそうです。ふーんって感じで聞いていたのですけど(仕事であまり厳密に動画の色を見るってセクションにないもので)、ちょっと依頼されて調査して「へぇ」って思いました。そうなんだ、って。

例として、Final Cut ProでWide Gamut HDR - Rec.2020 HLG って設定のプロジェクトからProRes 422HQのmovファイルを出力してみました。

これで出力されたmovファイルをBigSurのQuickTime Playerで開くと、こんな↓感じでBT.2020のBT.2100なHLGのものとして認識されていることがわかります。これは適切なNCLCタグってものがファイルに書き込まれた結果と言えるようです。コードポイントで9-18-9ってところですかね。

一方で同じようにAfterEffects 2022でHLGのプロジェクトを作成し出力すると以下のようになりました。

タグなしってなってます。その場合、QuickTime Playerは(ていうかAppleのカラーマネジメントの影響下にあるツールは)デフォルトの値で表示することになる模様。結果、ちょっと浮いた明るさで表示されちゃうことになるようです。下図で左のAEの色味のつもりで調整したのをProRes 422HQで出したら右のQuickTime Playerの色味で表示されちゃった、って状態ですね。

ということでNCLCタグってのを適切に書き換えてやればいいんじゃねってことなのですけど、BBCのQuickTime file parameter editor for modifying transfer function, colour primary and matrix characteristics[GitHub] を使ったりDaVinci Resolveで変換をかけるって方法(参考:Premiere Proの色について[yamaqblog])があるようです。

BBCのツールを走らせて、AEから出力されたムービーを9-18-9の動画だよって情報を付与してあげます。

まぁまぁマシになっているように見えます。そんな対処法ってことになるのでしょうか?

もっとも、デフォルト?の1-1-1で指定されるガンマの値をAppleが間違えているのではないかってことで、ガンマバグと呼ばれ混乱を巻き起こしているようです(そのためDaVinci ResolveではmacOSのカラーマネージメント下で意図した色になるよう新たなプロファイルを追加しているそうです)。ともあれ複雑な状況になっているらしいのでAppleにおかれましては、この辺の問題を解消する方向で動いているといいなと思いました。

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