環境省レッドリスト(鳥類)2015の準絶滅危惧(NT)21種のひとつに指定されているハマシギが先日大阪にやってきましたのでハマシギを紹介しましょう。・・・ハマシギの群れ
「チドリ目シギ科オバシギ属」のハマシギ(体長21cm)は、時として数千羽にもなる大きな群れを作り干潟などに来る野鳥ですが、準絶滅危惧に指定されたように近年日本に飛来する数は大きく減少しています。
夏はユーラシア・北アメリカの北極圏などで繁殖、冬は温暖な温帯、亜熱帯地方で越冬する渡り鳥で、日本に「冬鳥」として来て越冬することや、南方に渡る途中「旅鳥」として立ち寄ることが知られています。
かつて大阪でもハマシギが数百羽の群れで来て越冬していましたと鳥の専門家から聞いたことがあります。さて、この秋に30羽ほど飛来してきたハマシギですが、干潟を積極的に動き回って砂の中のゴカイなどの餌を採っていました。・・・右端はアカアシシギ
ハマシギのクチバシは、ほとんど砂の中にあって形が良く判りませんが、場所を変える際に短時間だけ、そのクチバシを見ることができます。
ハマシギの冬羽とよく似たシギの仲間は多くいて、専門家でないと種類を特定するのは困難ですが、少し下を向いているやや長めのクチバシがハマシギの特徴です。
夏羽のハマシギは、腹の黒斑で他のシギと容易に識別ができますが、今回のような冬羽にはその黒斑が無いのでクチバシを確かめないと断定することが困難なのです。
砂浜を積極的に動き回って餌を採るハマシギは、かつて「ハマチドリ」とも呼ばれていました。(鳥名の由来辞典・柏書房)しかし今はハマチドリというチドリは存在しません。・・・こちらの岩場にもハマシギが
現在の分類法では、比較的クチバシが長く足の指4本がシギ、クチバシが短く足の指3本がチドリと分類されていて(例外もあります)ハマシギは前者なのです。しかし「浜千鳥」には捨てがたい響きがあり、今も居酒屋の屋号等に使われている例があるようです。