無駄なハコものの典型のように言われていた、京都府精華町と木津川市にまたがる「私のしごと館」の今の様子を見てきました。
近鉄の新祝園駅からバスで10分、「私の仕事館前」で下りると、ガラス外壁の巨大な建物が見えてきます。
「私のしごと館」の敷地面積は、約8万3千平方メートル、建設費581億円をかけて2003年にオープンしています。
宇宙飛行士や消防士、声優など約40種類の職業を体験できたのですが、採算を度外視した運営のため批判が高まり、7年後の2010年3月末にやっと閉鎖されたようです。
施設を所有する独立行政法人「雇用・能力開発機構」は、同年5月に土地建物の売却を決め、入札者の募集を開始しています。
裏側に事務所
しかし、土地・建物の競争入札の受け付けが締め切られた8月末になっても、入札参加者はゼロだったようです。
「私の仕事館」の周辺は、文化学術研究ゾーンとして用途の制限があり、商業施設には転用できないので、今のところ買い手のメドは全く立たないとか。
もっと小さな建物であれば、研究施設としての買い手もあるかも知れませんが、延べ床面積が3万5千㎡、なにせデカイのです。
前庭から見た建物
これだけの規模となると、建物の光熱費、管理維持費も巨額となり、一般企業が買収できる限度を超えているのではないでしょうか。
左のレストランゾーンへの渡り廊下
大阪から2時間近くかかる不便な場所ですが、雇用・能力開発機構は、条件などを検討し、再度入札するようです。