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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



世界文化遺産、春日大社の「砂ずりの藤」が満開となったようなので、久しぶりに奈良まで出かけて春日大社に参拝してきた。



樹齢800年といわれる藤は見事であるが、写真を撮る人が絶えず藤の周りにいて落ち着いてシャッターを切るチャンスが無い。



そこで人で一杯の春日大社本殿の撮影を諦めて、石灯籠が並ぶ静かな南の参道を奥に向かって歩いてみる。



中には、永正七年(1510年)と銘のある古い石灯籠があり、ゆっくりと探せば、もっと古い石灯籠もありそうであった。

永正七年とある石灯籠(右)



参道を上り切った右手には、幹回り11,46m、高さ24mの巨大な「若宮大楠」が鬱蒼と枝を広げている。



「若宮大楠」と参道を挟んだ向かい側には、樹齢500年以上という「八房藤」があり、「八房藤」の枝と花が森の樹木に絡みついている。

八房藤のつぼみ



その先は、春日大社の摂社の中では最大規模を誇る若宮神社の本殿(重文)と拝舎(重文)である。



若宮神社は、1003年に春日大社の第4本殿に出現し、神託によって1041年に第2、第3本殿の間に移し、さらに1134年に現在の場所に遷座したという。

砂ずり藤



しかし、中右記1119年の条に、若宮神社の灯明料所となっている伊賀国の地名が記載されているので、もっと古くからある神社だったようである。

本殿の正面には大きな明神鳥居を建て、入り口には菱格子組子の扉を持つ春日造りであるが、式年造営によって幕末の1863年に造り替えられたものである。



春日大社では、室町時代1367年頃から式年造替が始まったようで、1613年の造替から江戸幕府によってほぼ20年毎の周期で実施されている。

中門の内側が春日本殿



式年造替の対象建物は、春日本殿4棟と若宮本殿、及びそれを囲う瑞垣、鳥居に限られているので伊勢神宮などと比べると規模が小さく、出費も過大ではなかったようなので戦国期にも途絶えることなく続いている。

回廊と砂ずり藤



しかし明治以降は、修理だけで造替はされていないので、室町から江戸時代に限り式年造替があったことになる。


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