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大阪城の石垣について
大阪城を散歩する
/
2008年05月28日 21時16分33秒
大阪名所はいくつもあるが、徳川時代初期に造られた大阪城石垣こそ、大阪が世界に誇る歴史遺産ではなかろうか。
最後に完成した二の丸南側の石垣と南外掘り(六番櫓だけが現存)
エジプトのクフ王のピラミッドは平均2,5トンの石を250万個、高さ140mまで積み重ねているが、大阪城では1個が100トンを超えるものを含めて100万個、全長12キロの長さに渡って石垣が築かれている。
二の丸南側、三番櫓跡下部
日本はもとより、世界でもこれほど巨大な石を加工した石垣は類を見ないのではないかと思う。
先に完成した二の丸北西、乾櫓下部の石垣(南側よりも石の積み方が粗い)
江戸城のある関東には、有力な外様大名がいなかったために巨大な石垣は必要なかったが、薩摩、長州など有力外様大名が配置された関西では、徳川への反乱に備える為に堅牢な守備陣地が必要であったと考えられている。
二の丸南側、五番櫓跡下部
築城の時に想定されたように、幕末の1868年に薩長の軍勢が大阪城を取り囲み、大阪城の本丸と二の丸が炎上する事件が起きている。
大阪城の石垣は、最大の蛸石が130トン、肥後石、振袖石が120トンなど巨大な花崗岩の塊でできていて、裏に隠れたものを含めると総数100万個に上ると想定されている。
肥後石
豊臣時代までの城の石垣は、姫路城や和歌山城などに見られるような「穴太積み(野面積み)」と呼ばれる自然石(野面石)を横に寝かせるように重ねて、隙間に小石を詰める技法が主流であった。
和歌山城の石垣
大阪城では、石が隙間無く積めるように事前に石を規格化して加工量産した「算木積み」と呼ばれる堅固な新技法が使われていて、特に石組みが美しいのは、大阪城再築の最後となる1628年に築かれた南外堀に面した二の丸石垣である。
二の丸南側、手前から七番、六番、一つおいて五番櫓の下部の石垣(六番だけが現存)
広大な外堀と長大な二の丸のスケールから、石垣の高さをあまり意識することが無いが、石垣の底に敷き詰めた根石からの高さが約33,5mもあることが最近判明している。
この石垣の上から堀を覗き込むと、扇のような曲線が美しく、33,5mの高さの石垣を登って城に侵入するのは不可能に近いと思うが、鉄壁の大阪城も幕府軍の篭城に使われることは無く、幕末にはすんなりと開城している。
城を守る人間に意欲が無ければ、どんなに高い石垣の城を築いても、意味が無いことが幕末に証明された訳で、やはり武田信玄の言う通り「人は城、人は石垣」なのである。
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