万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

イスラム諸国はアフガニスタンを助けよ

2008年08月28日 16時17分28秒 | 国際政治
外国人すべて標的 アフガン 盗賊横行(産経新聞) - goo ニュース
 タリバン政権時代から、アフガニスタンの農地の多くが麻薬畑と化し、国民が餓える原因となったことはよく知られています。麻薬密売でタリバンが資金を稼ぎ、麻薬栽培に手を出した農民自身もタリバンに依存せざるを得なくなるという悪循環は、まさに、”悪の支配”とでも言うべき状況でした。

 アフガニスタンの人々が、このタリバン時代の過酷さを、すっかり忘れてしまったはずはありません。それにも拘わらず、アフガニスタンでは、刻一刻とタリバンが勢力を伸ばし、国家権力を再び掌握しようとしているのです。アフガニスタンのために尊い命を捧げられた伊藤和也氏は、この悪循環を断つべく、農地の再生に尽くしておられたと言います。アフガニスタンの復興を支援する方々にまで、タリバンやその支援勢力が惨い仕打ちを加えるとしますと、かの国の行方を案ぜざるを得ません。

 アフガニスタンの戦争は、アメリカが主導したためにか、今でも、かの地でのタリバンとの戦いは欧米諸国が担っています。しかしながら、タリバンの行っている非道は、おそらく、イスラム教にあっても神が許すはずはありません。イスラム諸国は、宗教的な連帯感によってタリバンを擁護しがちですが、このままではアフガニスタンは再び犯罪が蔓延る悪の巣窟になってしまいます。イスラム教国こそ、アフガニスタンの状況を直視し、宗教を共にするアフガニスタンの人々の幸福のために、タリバンの蛮行を抑えるべきではないか、と思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申しあげます。

にほんブログ村 政治ブログへ

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする