万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

WTO交渉より資源高が心配?

2008年08月04日 16時53分01秒 | 国際経済
アンチ・グローバリストはどこに消えた? ~ 平穏なWTO閣僚会議を考える(WIRED VISION) - goo ニュース
 
 産業界とは、競争力を自負していれば、輸出拡大を目指して関税引き下げを望むものです。もしかしますと、産業界の強い後押しがあれば、WTO交渉の妥結もあり得たのかもしれません。

 しかしながら、今回のWTOを取り巻く環境は、以前のものとは大きく違っています。何故ならば、現在の産業界の切実なる関心事は、工業製品の関税引き下げよりも、原材料高にシフトしているように思われるからです。経営に重くのしかかる資源高への対策こそ、企業にとっては急務の課題です。つまり、WTOの交渉を協力に後押しするパワーが低下してしまっているのです。

 新聞報道によりますと、鉱物資源市場の寡占化が進み、EUの競争当局が、BHPとリオ・ティントの統合を認めるか否か、関心が高まっていると言います(本日付日経新聞)。もしかしますと、グローバルなレベルで経済を再活性化するためには、通商政策よりも、別の政策手法を要する時代が来ているのかもしれません。 

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