万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

反対者を”干す”体質に発展はない

2008年08月26日 15時45分43秒 | 日本政治
【政論探求】民主党はこれでいいのか(産経新聞) - goo ニュース
 国益や国民を無視して、”政治は権力闘争”と割り切ってしまいますと、確かに、ライバルを徹底的に”干す”ことは、一つの政治手法であるかもしれません。しかしながら、政治は国民のためにあり、良い国家をつくるためにある、というスタンスに立ちますと、反対者排除の手法は、いただけないと思うのです。

 そもそも、民主主義には、異なる意見や利益を持つ者が、相互に主張をぶつけ合い、議論を通して合意を形成するという価値が含まれています。組織の論理からみましても、トップ・ダウン方式の独裁型よりも、多様な意見を取り入れる柔軟性や寛容さを持つ組織の方が発展するものです。それは、多くの知恵や経験を結集することができるからです。全体主義体制の国家が停滞する理由も、ここにあるのですが、民主党の体質が、異端者排除であるとしますと、民主党の党名は、名ばかりということになりましょう。この”干す”という言葉に、独裁体制における”粛清”という言葉が思い浮かばれてしまうのです。

 もちろん、他の政党にありましても、反対者排除の手法が常態化しているとしますと、やはり、これは、国政に携わる政党として大いに問題でありましょう。日本国の将来を考えますと、まずは、オープンで柔軟な組織に向けての政党の組織改革から始めるべきなのかもしれません。党の組織改革できずして、国政改革などできるはずはないと思うのです。

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コメント (8)
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