秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(鹿の食害と認知症の昨今)

2011年05月18日 | Weblog
まるで…性格の異なる、人間様のような…色んな緑色が、一斉に息を弾ませている。
この色が、まったく同じ緑なら…多分ツマラナイ。
人間だって、みんなが同じ性格だったら、
多分 ツマラナイ。
「ワタシ達はウマが合うのよ~」
などといっても、性格が同じわけではない。「息がピッタリと合う」
ことと、性格が似ているとは、ちと違う。

震災から二ヶ月以上が過ぎた…
日本全国で
日本全国の家族が
千差万別に
様々な事を感じながら、過ぎた二ヶ月間。

そして
メディアとか、ネット上で、原発のあらましを学んだり…
裏事情を 知ったり…

避難所にいなければ、支援物資を届けない、お決まりのような、行政の対応。
あのような、状態でも、
〈決まり〉
の旗を振りかざし、
〈親方日の丸〉
をチラツかせ…
歯痒い気持ちで、報道を、みんなが聞いていたと思う…

この二ヶ月間で
無償のボランティアで、動いた方々に、
私は心から 感謝しています。
私は 毎日 何の役にも立てないまま
仕事探しをしながら
自分探しをしながら
心は いつも 被災地に在り、
〈今、東北に行き、誰かの役に立てなければ、一生後悔する〉
と 毎日毎日、ただ、頭でだけ考え…
結果 全く行動を起こせないまま

本当に 無力です。
ゴメンなさい。
自分自身の 無力のなさに…呆れています。
ただ、テレビ画面を通しての
避難区域の方々の、身の凍るような、現実。亡くなった方々。
じわじわと、死んでしまった、多くの動物達。

一時帰宅。2時間。
ビニールの袋一枚に、詰め込められる、筈がない…。

「悔しい…」
と言って、ぽろぽろと涙を流す、まっさらな村長さんを見て
この村の有権者の、選んだ人は、純粋だ。村人の選択は正しかった。
と ただ、私は共に泣く。
涙が 勝手に 落ちてくる。

再び 家族や友達と、
この場所に 住みたいと 避難区域の若者が語っていた。

原発の避難区域でも、ないのに
過疎になっていく
この 故郷

原発の避難区域でもないのに、
主のいない 家。
主のいない…畑

今の村の 高齢者の暮らしは、何の不安もないに等しい。
頑張っている、プチ高齢者が、まだ 村に残っているから。
ワタシ達が このまま、婆さんになったら?頼りに出来る、若者、プチ高齢者がいない。
イノシシくんや
鹿さんに
何の 用事を頼めばいいの~?

地図から 町が
消える…みたいに
地図から やがて
道路以外の 故郷が消えるよ…
人間だって、消えるのだから、仕方ないと言われるけど…
いつか、遠い未来に、自分の遺伝子を持つ、人間が、ここを訪ねて来たら、
この 故郷の 匂いだけは、感じることができますように…
この 祖谷の 匂いは、ここにしか ないもの…
その 匂いは
祖先の生きた、年月の温もりが、見えないバリアのように、ここを包んでいるんだよ…きっと。


鹿さんに
ジャガ芋の苗を、スッカリと 食べられた 畑の中。

杖を つきながら
立ち尽くす……
プチアルツハイマーの ヴヴヴ星人……

ワタシの顔を
じーーっと 見つめながら、聞いてきた……
『今年…ジャガ芋…植えるの……忘れ…とったわ……』

草々














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奥祖谷春点描 暮らしの初夏

2011年05月18日 | Weblog
新緑に埋もれし山家哀れなり

新緑の新緑かさね昼寝かな

豆飯と決めて莢引く里のひと

ほろ苦き蕗佃煮に酒うまし

古茶淹れる里女の詫びの微笑まし  (新茶間に合わず)






















































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