黄色いエプロン
くしゃみを、我慢しているようなイナズマの光線が、ちらちらと森閑の夏の夜空に、光りを放っている。宇宙の隅っこで、下界を見下ろしながら、神々が花火大会なんて、洒落ているのかな。色を持たない山々を、一瞬のイナズマが、潔く照らす。下界に住む者達の、心の叫びを集めて、雷雨が響く。少し怖いけど、なんか楽しい。今夜のようなイナズマに逢うと、若い頃、剣山の頂上で和歌山に落ちるイナズマを、度々遠く、見下ろしていた事を思いだす。三年間夏の一ヶ月を、剣山で過ごした。日々形を変える雲海を、贅沢な位堪能できた。
夜空には、闇のベールが一面に張られ、散りばめられた星達の、それぞれの光りの祭典。星に同じ形は、ない。意識が違うように、個々に凜とした美しさがある。落ちてきそうな巨大な満月。煌々とした光りは、何にも動じない底知れぬ強さを、感じた。手が届きそうで、思わずジャンプした。風は肌寒く、エプロンのボケットに両手をいれて、いつまでも空を見ていた。流れ星が、一瞬に流れていく。手を合わせる暇もなかった。悔しがる私を見て、友人が笑った。一番綺麗な思い出が、剣の神々に抱かれて、今も私の心に住んでいる。あの時の、エプロンは確か黄色いタテジマだったかな。五百円だった記憶がある。あれから、二十八年。結婚し、家庭の諸事情に追い掛けられ、頂上で宿泊することは、不可能となった。夏になると不意に思い出す、残像のかけらは、あれからの私の人生の上で、ずっと私の肩を叩いて、前に進む力に代えてくれる。
老眼に鞭打ち、書いていると、神々が、ネムクなったのか、落雷は静かになった。今日は、夕方の蜩のシンフォニィと、稲妻。深夜の選挙速報。誰が代議士になっても、蜩の響きは、明日もかわらず音のシャワーを高く降り注いでくれる
くしゃみを、我慢しているようなイナズマの光線が、ちらちらと森閑の夏の夜空に、光りを放っている。宇宙の隅っこで、下界を見下ろしながら、神々が花火大会なんて、洒落ているのかな。色を持たない山々を、一瞬のイナズマが、潔く照らす。下界に住む者達の、心の叫びを集めて、雷雨が響く。少し怖いけど、なんか楽しい。今夜のようなイナズマに逢うと、若い頃、剣山の頂上で和歌山に落ちるイナズマを、度々遠く、見下ろしていた事を思いだす。三年間夏の一ヶ月を、剣山で過ごした。日々形を変える雲海を、贅沢な位堪能できた。
夜空には、闇のベールが一面に張られ、散りばめられた星達の、それぞれの光りの祭典。星に同じ形は、ない。意識が違うように、個々に凜とした美しさがある。落ちてきそうな巨大な満月。煌々とした光りは、何にも動じない底知れぬ強さを、感じた。手が届きそうで、思わずジャンプした。風は肌寒く、エプロンのボケットに両手をいれて、いつまでも空を見ていた。流れ星が、一瞬に流れていく。手を合わせる暇もなかった。悔しがる私を見て、友人が笑った。一番綺麗な思い出が、剣の神々に抱かれて、今も私の心に住んでいる。あの時の、エプロンは確か黄色いタテジマだったかな。五百円だった記憶がある。あれから、二十八年。結婚し、家庭の諸事情に追い掛けられ、頂上で宿泊することは、不可能となった。夏になると不意に思い出す、残像のかけらは、あれからの私の人生の上で、ずっと私の肩を叩いて、前に進む力に代えてくれる。
老眼に鞭打ち、書いていると、神々が、ネムクなったのか、落雷は静かになった。今日は、夕方の蜩のシンフォニィと、稲妻。深夜の選挙速報。誰が代議士になっても、蜩の響きは、明日もかわらず音のシャワーを高く降り注いでくれる
同居人
一週間前から、同居人が出来た。娘には、まだ話してない。余計な心配をかけては、親として失格だから。とにかく、紛れもなく同じ空間で同じ時間を、共有している。彼か、彼女か、もしかしてその中間なのか?電球のペンダントに住み就いている。働き者なのか、忙しく傘の中をぐるぐる廻っている。少しずつ大きくなっている。蟻なのか、ゴキブリなのか、蝿なのか???確かめたいけど、テーブルの上に上がるのが、面倒くさい。何気なく植えてしまった、トマトの苗が、バンバン伸びていく。苗を縛ることさえ、面倒くさいのに、テーブルに右足から上がり、ましてや転ぶかも知れないという代償を払ってまで、そんな危険な事をしては、身体に悪い。とにかく、真下から動く黒い点を、ジーと見つめている。キンチョールひと吹きで、同居は解消されてしまう。退屈なので、そんな武器は使わないようにしょう。私の取り柄は美貌と優しさだ。他人に言われなくても、自然と自分で解るから。しかし、それだけでは生きて行けない現実に、直面してしまった。そう、美貌と知識と優しさだけでは、生きて行けない現実!水、電気、米、ケーブルテレビの基本料?そんな低いレベルの問題ではない礼服のファスナーに、手が届かない!息を止めて、この世の終わりのような形相をして、右手の人差し指を、必死で伸ばす。あとイッセンチ。綺麗にメークをしても、一気に汗が流れる。冬は、上からコートを着て友人宅に駆け込んだ。夏は、このまま外にでたら、唯の変人になってしまう。一人になって、あの無口な主人の存在の偉大さを、痛感してる。礼服の背中のファスナーを上げて貰う時と、背中が痒い時だけ、主人を頼っていた。立派に、依存していた。私は右手を鍛える訓練を、いますぐ始めよう。電球の中の同居人は、役に達ちそうにない。
一週間前から、同居人が出来た。娘には、まだ話してない。余計な心配をかけては、親として失格だから。とにかく、紛れもなく同じ空間で同じ時間を、共有している。彼か、彼女か、もしかしてその中間なのか?電球のペンダントに住み就いている。働き者なのか、忙しく傘の中をぐるぐる廻っている。少しずつ大きくなっている。蟻なのか、ゴキブリなのか、蝿なのか???確かめたいけど、テーブルの上に上がるのが、面倒くさい。何気なく植えてしまった、トマトの苗が、バンバン伸びていく。苗を縛ることさえ、面倒くさいのに、テーブルに右足から上がり、ましてや転ぶかも知れないという代償を払ってまで、そんな危険な事をしては、身体に悪い。とにかく、真下から動く黒い点を、ジーと見つめている。キンチョールひと吹きで、同居は解消されてしまう。退屈なので、そんな武器は使わないようにしょう。私の取り柄は美貌と優しさだ。他人に言われなくても、自然と自分で解るから。しかし、それだけでは生きて行けない現実に、直面してしまった。そう、美貌と知識と優しさだけでは、生きて行けない現実!水、電気、米、ケーブルテレビの基本料?そんな低いレベルの問題ではない礼服のファスナーに、手が届かない!息を止めて、この世の終わりのような形相をして、右手の人差し指を、必死で伸ばす。あとイッセンチ。綺麗にメークをしても、一気に汗が流れる。冬は、上からコートを着て友人宅に駆け込んだ。夏は、このまま外にでたら、唯の変人になってしまう。一人になって、あの無口な主人の存在の偉大さを、痛感してる。礼服の背中のファスナーを上げて貰う時と、背中が痒い時だけ、主人を頼っていた。立派に、依存していた。私は右手を鍛える訓練を、いますぐ始めよう。電球の中の同居人は、役に達ちそうにない。
水無月の はや十日なり 在所かな
前の日曜日 Aさんが朝ひょっこり我が家に現れて茶話
暫くしてIさんも来て、ゆったりした時間を共有。
昼食後Iさんまどろみ(幸せな寝顔)
晴れ間も覗く祖谷の日曜日の昼下がり、自然との触れ合い。
前の日曜日 Aさんが朝ひょっこり我が家に現れて茶話
暫くしてIさんも来て、ゆったりした時間を共有。
昼食後Iさんまどろみ(幸せな寝顔)
晴れ間も覗く祖谷の日曜日の昼下がり、自然との触れ合い。