秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

道後湯の町春点描 湯の町暮らしに山桜は密やかに穏やかに

2016年03月27日 | Weblog

25日の右肩皮下腫瘍摘出は無事に順調に終わった、手術台に横になり右肩を上にして5センチあまりの腫瘍を
電気メスでジー、ジョリジョリと腫瘍を引っ張りながら剥がしてゆくのが顔を覆われているがよく判る
約一時間ほどで終わる、手術のあと痛むかと思ったがほとんど痛みもなく、楽に一晩を過ごした
昨日夕方には覆っていたガーゼを剥がしてシャワーを浴びることが出来た、後にカットバンで覆って養生する
毎日カットバンを取り替えて31日の抜糸が済めば一件落着となる


雨あがりに急に思い立ちて山桜を見にいきたいものと鮨折をぶらさげてぶらりと出かける
程なしに曇り勝ちであった空模様が晴れてきだして、暖か陽射しにうれしくなった
着てみてよかった、ちょうど見ごろであった、しっとりとした密やかな山桜にそこはかとない索漠を
感じたことであった、
「いづれの花か散らで残るべき 散るゆゑによりて、咲くころあれば面白きなり」と云うことではなかったか

索漠と云ふ一本の山桜

遥か来て雨あがりけり山桜

花見ごろ江戸長鮨に一葉落つ






















































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道後湯の町春点描 爽やかな花便り 花びとになりて

2016年03月25日 | Weblog

山野にさくらをたずねて、清遊するも、いまだちらほらと咲き始めるころに、やや早しに急かす心持に
だが、まてよ、ここ4,5、日には咲きそろうのではあるまいかと思うにつけても、もう一度来ねばなるまいと
そんな埒もないことを思いながらこの先の山寺を覗いてみようと、小道を少し斜めにかまえて登り始めて
ほどよいところに山門の古風な佇まいに俗界から遠く離れた山ふところに隠れるように、よく見れば山桜に
違いないがここもちらほら程度の咲き具合に、やれやれ花の影が空に浮き上がるようなときにもう一度
登って来ようと空がやや翳りかけたころに下り始めた

しかしながら、25日は前々から、右上腕皮下腫瘍摘出術の日である、以前から気にしていた脂肪腫であり
最近になって脂肪腫周辺の筋を圧迫するのか、少し筋が痛むゆえ手術することにした
幸い悪性ではないし、筋肉に絡んでもいないし、深部でもないため、局部麻酔で切開して剥ぎ取る、日帰り手術になる
抜糸が一週間後でありその間は桜びとになれないのが残念である
寒さがぶり返していて、もしかして今年は花も長持ちするかも?と期待したい


西行を読み耽けりふと初桜

山寺に花めぐりしてマチス見し

色町やぼんぼり揺れて夕桜




































































































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道後湯の町春点描 湯の町暮らし 歩きびとに爽やかな季節となりて

2016年03月18日 | Weblog

秋冬に渡ってきた候鳥類が春になって北方に帰るころになりひとしおあわれ深いものがある
歩いていて、ふっと空が気になり仰ぎ見ると偶然にも渡りの鳥が数十羽の群れて飛び去るのを
目撃することがあるが、ああ、帰るのかな、今日は風がちょっと強いが大丈夫かなと妙に気になったりする

一瞬の別れに感傷的に気を引かれているものの、ウグイスの鳴き声にわれにかえってうれしくなったりと気まぐれに
ポッケに忍ばせていたICレコーダーを取り出して録音していることに可笑しくなるものだ
いまどきは、ちょっとした変化にも敏感になるものの、寒暖の大きさには面食らってばかりで身体が付いてゆきにくい

峠からふらりと東に向かって身体をふりすたこらと歩き出したはいいものの、しばらく歩いて南にくるりとまわりこんで
その気になってそちらへ下って、はて?こんな道があったのかなとちょっと心細くなっても、もはや引き返すのも大儀であり
先のことは考えずにだらだらと下り続けたであろうか、空にはさあーと流れる雲の動きはあったが、木々の間から望める晴れ間が
ほんの少しだけ迂闊にも高曇りになりつつ、しずかであった

小鳥のさえずりに心地よく歩いているものの、先のわからない小道に迷い込んだような思いでだらだらと
道はあるものだがだんだんと細くなってゆくのもどこかで先どまりのような気になりだしていると
確かにみかん山が迫りきて行き止まりになった
幸いなことに、農家の人が剪定をしていて、聞けば、その向こうに民家が一軒あって、道が麓についているとのことであった
みかんの木の間を通らしてもらって、やっと道を見つけることができ、また、だらだらとふもとに下って歩いたものである



鳥帰る日に風鳴って別れけり

なにごとぞロマン派の絵に春埃

石手寺や鐘を撞くなり涅槃西風


































































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道後湯の町春点描 湯の町暮らしに草木の花は爽やかに

2016年03月12日 | Weblog

林道の草木が芽吹きはじめたら、花が咲き出して散歩もうれしくなるが、朝晩の冷え込みには四苦八苦である
そうした華やかな、しっとりとした風の柔らかな空気を楽しみながらも、今朝の里山歩きはめっぽう寒くて
山頂近くの木々に薄っすらと霧氷まがいの花が咲いている、寒いわけだ
なかなかすんなりとは暖かくならないようで、春と名残の冬まがいの鬩ぎ合いとはよく言ったものだ




山寺や仏の水もぬるみけり

山羊啼いて畑しごとも山笑ふ

子ら歩きとろとろ被り春の泥









































































































































































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道後湯の町春点描 湯の町暮らしに三月の風の匂いに包まれて

2016年03月04日 | Weblog

三月の声を聞くとなんとなく春だよなあと、風の匂い、空の空気など急に寛いだ気分になる
寒気と暖気の入れ替わりの時期に来ているのだろうか
子供たちの行事も急に多くなり、ももの節句の雛まつり、学業の卒業、さくら祭りとなにかと
華やいだ空気に気分も高揚してくるものだ

明日は二十四節気のひとつ、啓蟄にもなり土中で冬眠していた蟲たちもそろそろ這い出して来るころで
このところ、気温も高めになって、林道にさしかかるあたりにあるコブシの木の花が咲き始めて
青空に白い花びらが陽光にまぶしくかがやいている、林道を歩いていてこのあたりでは珍しい山茱萸の
黄色い花がほころびだして、やすらかな気分を満喫して歩くのもうれしいものだ

歩いていてもほとんど目にすることもなかった道端の小さな、普通の草から茎が伸びて可愛らしい
花のほころびを見せてくれて、あれ、これはなんだ、などと名も判らない草花に愛しさを覚え
そっとカメラに収めてみたりと道草の多い歩きは遅々として捗らないのも、いままでとは違って
新鮮味を覚えて、やっぱり、春なんだと納得するのである

小鳥たちのさえずりも活発になり、うぐいすも初鳴きからずいぶんと上手になり多くの鳴き声が
聞こえてきて、華やかである、ほかの小鳥たちも林道の枝から枝へと忙しげに飛び回って鳴くのも
可愛らしく、なかには道案内よろしく4,5、m前をちょんちょん飛んで横に逃げないのも可愛いものだ
遠くの林の中から啄木鳥のドラミングしている音も聞こえ始めたりして退屈しないのもうれしい

林道沿いには、みかん山、竹林、キュウイ畑、野菜畑などが点在するが、春ともなれば農作業も忙しく
多くの人たちが、木の選定、消毒、美味いたけのこを収穫するのに竹林の土耕し、などなど、立ち働いている
一服している人たちとの世間話などをするのも歩いていても楽しみなものである


久闊に廃家わびしき山茱萸黄

啓蟄と云ひて出づれば羽織けり

竹林に鍬打つ農夫春めきて

三月や善き日にかの地旅気まま










コブシが咲き始めた















































































山茱萸はかすかにほころびだした











































































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菜菜子の気ままにエッセイ( バチと吹雪と時々トンネル♪)

2016年03月01日 | Weblog

うるう年の月末最終午後6時。職場の窓から見える、吉野川が真っ白。
見事な雪が 降り始めていた。
『菜菜さんっ、祖谷に帰れんようになるよっ!早くおいて、帰りなよっ!!』
「こんなん、雪のうちに入りません~大丈夫です~♪」
と 軽~くほざいたから、バチが当たった。

木々に積もった、雪の華を観賞しながら、ちんたらと西祖谷まで、スイスイと積雪の路面を、走っていた。
途中で這う様に走る、ノーマルタイヤらしき車を2台追い越して、ココロの中で、その運転手に、呟いた。
『山の冬は、しぶといのじゃ~ちょっと良い天気が続いたからと、油断するなよ~このド素人が~』
と 軽~く呟いたから、
バチが当たった。



かずら橋を過ぎた辺りから、
正式に話せば、東祖谷に入った辺りから、様子が一転。
前方が 見事な猛吹雪!!
辺りは真っ暗。

ライトを高めにしても、どうにもこうにも、
前が 吹雪で見えない。
前方をゆっくりと走っていた、プリ○ス?も、広い場所で、ウインカーを点け、止まった。
仕方がないから、追い越して、吹雪の中を前進する。
頭の中で、色んなことを、考えた。

早い話が 覚えている カーブを思いだしながら、
(勘)だけを頼りに、運転した。
前屈みになって、前を必死で見ても、現状はなんら、変わらない。が、なぜか 前屈みになって 前を見て走る。
見てと言うより、前を睨んで走る。

凄まじい吹雪が舞う。
停止。
一瞬、前方が見えたら、見えた場所まで、スピードを出して、走る。
再び 猛吹雪。
街灯がチラッと見える。
あの家の前のカーブは、右だから、右に緩やかに。

この辺りは クネクネ道だから、ゆっくり這うように、走る。
ほとんど (勘)のみ。
遠くで民家の灯りが見えるのに、なんて 孤独な時間。一人で 遭難ごっこをやっているみたいな、悲壮感。
でも、走る。
後方のプリ○スのライトは、全く見えなくなった。
対向車に 二台あった。

なんか、ちょっと 安心する。遭難ごっこの同志がいるって、めちゃくちゃ 心強い。
※お互いに、このシチュエーションでは、何の役にも立たないが。
小島トンネルの灯りが、見えた!
あそこまでは、ほとんど真っ直ぐ。
灯りを目指して、吹雪に激突していく。
小島橋は、真っ直ぐだから、気分絶好調で、ガンガン走る。
再び 猛吹雪。ストップ。

おまけに 工事中で、道路のラインが、正確に掴めていない。
が 走る。こんな事になるのが判っていたら、真面目に工事現場を見学していたのに~と反省した。
一瞬視界が開けたら、そこまでダッシュする。
自動販売機の灯りが、見えた!
このカーブは、余裕でクリア~
ここを過ぎたら、龍宮トンネル。
めちゃくちゃ 嬉しかった!
長い歳月、小島トンネルも、龍宮トンネルも、何百回も走っておりますが、
『トンネル~ありがとう~』
って 初めて心の底からトンネルに、感謝した。
所要時間、1時間40分。吹雪との、格闘を終え、無事に家に 帰り着いた。
日中も、マイナス気温に包まれて、まだまだ、冬は終わらない。
オッサン化した、本能で、頑張って 通勤します。
祖谷の暮らしを 伝えられなくて、ゴメンなさいませ~
か し こ




















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