秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷冬点描 暮らしの山里に大枝集落の風景

2016年12月29日 | Weblog

二波の寒波は雪こそ少ないものの冷え込みはかなりなものであり、このところの暖かな日が
続いている土地のお年寄りにも堪えるものがある

冬枯れの大枝集落の年末風景も住んでいる人たちも多くなく、亡くなるお年寄りもいて、寂しくなった
凛として、張りつめた冷気が集落を包んで、一層、寂寥とした雰囲気が漂っていた






























































































今井集落から遠望する山々のうち、雪を被った山は寒峰の西に位置するセンド、三角錐の山は猪の丸その後方の雪山は三嶺方向か




















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索漠として寂寥に冬枯れの山をさまよいて

2016年12月27日 | Weblog



先の寒波で四国の山間部に積雪を齎した雪も暖かな日が続き、粗方解けている
冷ややかな空気と凛とした山の雰囲気を感じながら高度を上げる、小鳥の囀りもなく、しずかだ

所々に残る雪をザクザクと踏む足音が凍てついた樹林に吸い込まれて、消えてゆく山の質感
シーンという音の寂寥、この得も云われない、冷え切った風、樹林、空気、匂い、青空と混在して押し寄せる質感

索漠と歩き続けて、山中を深く降りると「いま、ここ」をまるで、きょう生まれたばかりの新鮮な眼で
風景の圧倒的な質感を見ている自分に驚いている
いま、ここ、を生きている自分の個性に向き合っている  「いまを歩く、ここにわれあり」






















































































































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菜菜子の気ままにエッセイ( もんてきたかえ~2017鶏)

2016年12月24日 | Weblog


祖谷の山里に、
いつもの師走が訪れました。
おばあさんは、お餅を丸めておりました。
おじいさんは、公民館に会合に出かけておりました。
庭先では、老犬ゴンタが、毛布の敷かれた犬小屋で、のんびりと、昼寝をしております。

おじいさんが、帰ったきました。
『ばあさんよぉ、もんたぞ』
「じいさんよ、まっことこのセワシイ時期に、何の会だったんぞよ?」
『いだあ、来年の村長さんの選挙の段取りじゃと~』
「そんちょうさんつか?」
『いだあ、また続いてするんじゃと!ほんで、みなに集まってもろたんじゃと!』

「なんぞ、もろて食べたんかえ?」
『茶菓子食うただけじゃわ!公民館に残っとった茶菓子じゃわ、ばあさんよ、もちは、もう食えるんこ?』
「食うかえ?朝からしよるきん、ようけ出来たぞよ」
『ばあさんよ!!こんがに餅丸めて、どうするんぞ!?寝るくも、ないぞ』
「じいさんよ、ふとい話すなよ、寝るくはあるわの~寝るくないって言うんなら、じいさんは、餅、敷いて寝るかえ~」

『ばあさんの、どくれぐちは治らんのうや~もうちょっとは、かわいげえに言えよ!』
「そんがに言うんなら、かわいげえに言う隣の後家さんの家に通うたらええわ~」
『ばあさんの、どくれぐちは、たいがいに、たったわ、まっこと、今年もジョウジとひでおは
もんてくるんこ?なんぞ、びんあったんこ?』
「仕事休めたら、もんてくるって、いよったわ!しものしの、仕事は、なかなか休めんのじゃの?
正月くらい休めな、体もくそごじゃになるのにのうろ~」

『孫はもどらんでも、ええって言えよ、いそげえな薄い電話ばっかりせついて、圏外になる、圏外になるってなんぞワカランことばっかり、いよったわ
薄い電話の上に指三本拡げたりつまんだりして、あれは何のマジナイなら!?』
「しらんぞよ~孫は小遣いもらう時だけ、かわいげえにいよったわ、今年はあのしら、ふたぁりだけで、戻るんじゃあないんかえ?」
……そして
大晦日。
ジョウジとひでおは、同じような顔を並べて
帰ってきました。
風邪をこじらせたジョウジの腕を、ひでおが支えて車から降りました。
車の中で、風邪をウツサレタひでおも、咳をしていました。
二人は言い争っておりました。
『風邪ひいとんなら、帰らんと松山でおれって、言うただろ~困るんだよね!!』
「そない言われても、祖谷に帰ったら治ると思うたさかい…すまんことしたなあ~」
『おまえらは、また兄弟ケンカしよったんか!!はよ、入って餅でも食うて、休めよー』

師走 祖谷
おじいさん、おばあさんのご満悦の笑い声
息子二人の咳払い
ゴンタの無駄吠え

優しい師走の時間が、四人と一匹を包んでおりました。
てをとり
もんてきたかえ~
祖谷を愛する全ての皆々様
お帰りなさい~~
とりあえず、もんてこいや~
コケ・コッコ~♪
草 々











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菜菜子の気ままにエッセイ( 大凧な・お時間です♪)

2016年12月22日 | Weblog


18日・日曜日大霜快晴。
恒例の高齢者2名に寄る、大凧制作。
今年はブログの主様が、応援に来て下さった。
お昼ご飯をご馳走するから、頑張って励んで書きなさいっ!!
との、嬉しい助っ人。
松山からわざわざ、来て下さった。有難い。ホンマにええ奴で、ございます。

で、なんで、2人で書くの~?
大変でしょう~
なんで、みんなを呼ばないの~?
と、よく聞かれますが、
早い話が、色んな方々がいると、意見がバラバラになり、作業が進まない。
無駄な時間を費やす結果になります。
で、2人で作業を進めます。
補助金は一円も頂いていないので、気が楽に書けます。
で、ワタシが大雑把に下絵を書き、テラオの兄さんが色を塗りながら補修し、文字を書きます。
最初の構図の一筆を書くまでが、めちゃくちゃ孤独な作業です。以下脚本バージョンで、お読み下さい。

場所 東祖谷民俗資料館二階ホール。
縦七メートル
横五メートルのテントを広げて、オッサン2名とオバサン1名が、立ち尽くす

『テントの中心はどこ?』「ここじゃわ!」
マジックでマークを付けるオッサン
『なんか?違う位置に見えるけど?』
「歩幅で計ったら、丁度そこが真ん中じゃわ」
と、再びテントの上を歩いて見せるオッサン。
『どこから書こう~?バランスがサッパリ判らん~』
「……」
「……」
「……」
黙ってパイス椅子に座り、眠っている様に見えるオッサン
とりあえず、お目目は開いていた。
ホールの隅で、ガサガサと手荷物の確認をする、松山のオッサン
オバサン、半泣きに近い顔で、ニワトリのクチバシを書き始めた。

□×○△▽☆○
□×○△▽☆○作業は続く

時刻は11時半になりました。

『お腹が空いたのでご飯の準備をお願いします』
と、お願いしながら、ペンキを塗っていく

今年の主様は、めちゃくちゃ手の込んだ昼御飯を、準備して下さった。
炊飯器を持参して、電気鍋も持参して、
メニューは
『和牛すき焼き!!』白米付き~

ペンキを塗りながら、主様の独り事を聞いていた。
ついつい、気になって、調理する手元も見ていた。

砂糖を入れる
醤油を入れる
砂糖を入れる

『ワカランようになった、甘いんか辛いのかワカランー???』
バサッと砂糖を入れる
ザーと醤油を入れる

……
……
食べるのが、
オソロシクなった

が、背に腹は変えられない
とりあえず、オッサン2名が食べる様子を、観察した。
テラオの味覚は、あてにならない。
コイツは何を食っても、上手いらしい。
で、主様の味覚を信じた。切った白菜をついホールの床に落とし、そのまま拾って、皿に移して炊いた、主様の味覚は、信じたかった
◎予想に反して、すき焼きは、めちゃくちゃ美味しかったです。

民俗資料館が出来て20年。
このホールで、すき焼きを食べたのは?ワタシ達くらいだと、思います
注※ホールでの飲食は禁止されております。良い大人は絶対に真似をしては、いけません。

明日は助っ人が集まって下さり、大凧を取り付ける予定です。
今年も役目を支障なく終え、ほっとしている、わたくしで 御座いました。
とりあえず
『さむいっ!』
草 々



































































































23日正午ごろに今年も上がりました大凧です
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奥祖谷冬点描 暮らしの山里にひとり暮らしの老婦をたずねて

2016年12月21日 | Weblog


かなり強い寒波が来て四国地方の山間部に雪を齎した日の昼ごろに久しぶりに東祖谷に入ってきたが
4,5センチ降った雪も日陰に少し残る程度に解けていた
道路や林道は雪はなく、凍結もしていないので、心配するほどもなく車を走らせて
まずは久保集落最上に一人暮らしのばあちゃんを訪ねることにした

久保林道に入り300mほど上がると、懐かしい民家がありいまも前のままであった
もう、かれこれ12年前にこの民家の一棟を借りて東祖谷暮らしを始め、約4年あまりを
この民家での山里暮らしで色んな出来事が珍しく一番楽しい時間であった

当時の日課であった朝の散歩を、今日は久しぶりにやってみようと、車を置いてカメラ片手に歩き出していた
林道沿いに途切れ途切れに点在する民家に変わったところはなく、前と同じなのだが
亡くなったじいちゃん、ばあちゃんの人たちも何人か居られて、知り合いが少なくなり寂しいかぎりである

最上の民家までに大抵は4,5人のお年寄りと立ち話や縁側で祖谷番茶をいただきながら世間話をして
なかなか前に進めないのであったが今日はひとりの知り合いのお年寄りに会っただけで
物足りない寂しさを感じながら目的のばあちゃんを訪ねた

縁側から声をかけると、居間のガラス戸が開いてばあちゃんが笑顔を覗かせたが
色艶も良くて元気な様子に安心した、早速熱い祖谷番茶を用意してくれて、お互いに
近況を話して、元気でいることを喜び合った

それからは、お年寄りの一番の楽しみであるむかしばなし、最近の話題などを延々と
おしゃべりするのだが、ここでは、滅多に話をする相手もいないのだから寂しい思いを
しているのであろうと、ぼくはもっぱら聞き役に徹して、1時間半近く、ばあちゃんが

気が済むまでをお相手した、ばあちゃんは周りの整理を済ましていて、連休に餅つきを
して、息子さんが迎えに来ると山を下りることにしている、ここ毎年そうして厳しい
祖谷の冬を町に下りているのである、生活水が凍結する祖谷では冬を過ごすのは年寄りには難しいからである




























































































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奥祖谷冬点描 山里の暮らしに大凧制作をする

2016年12月19日 | Weblog


17日昼ごろに東祖谷に入ったが、4,5、センチ積もっていた雪は日陰に少し残る程度で、大方解けていた、
道路も雪はなくて凍結しているところもなく心配するほどではなかったが、曇りがちの天候は陽射しがなくて
凛とした空気を凍らせる質感に身体の芯まで寒さに震いあがった

久保集落で用事を済まして、大枝集落の標高800近いわが寝床である「わとうち庵」に
入るも、外の洗面台にちょろちょろ出している命の水が凍結していた、

仕方なく備蓄のペットボトルの水を使う羽目になり、やはり温度は相当に低いのであろう
テレビなし、ネットなしで、晩飯を食えば、なにもすることなしだから、寒さに震えながら
もう、布団に電気毛布、電気コタツを入れてさっさと寝てしまったのである

翌日は恒例の二人の祖谷アーチストが大きさ7メートル×5メートルの白のビニールシートに
来年の干支の絵を描いて、国道沿いに壁に上げる大凧の制作過程を写真撮りした










































































































































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