秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷山麓夜話

2008年12月31日 | Weblog
臨時冬エッセイ
真っ暗な、冬空に不規則に散りばめられた、名もない無数の星。
真っ暗な山々の稜線の中で、純粋に、鮮やかな光を、凜として放ってる。
外の気温 -0度
外灯以外、明かりなし。音もなし。匂いもなく、自然界は深い眠りにつこうとしている。キーンと頬をつく風。
両手で指を合わせて、即席の望遠鏡を真似ながら、暫くその無数の星のシグナルを、じっと 見つめていた。

二年前なら、
『父さーん、でてきてみなー、星きれいよー』
などと言ってダーリンを呼んでいたんだけど

仕方ない。相手は今や、老犬柴犬!
『ゴン、星、キレイナヨ』

ゴンは、餌の追加と勘違いして、餌鉢の回りをうろうろしたあとで、私の顔を見て
『ワン!』『グアン!』
センチメンタルな感傷は、一瞬で蒸発した。

芸術の解らない犬なんて、ヘルペスの治療中の犬なんて!
ゴン、もっと
『首の筋肉つけて、空見んかーい』


記憶に残らないような、真っ白な二年が終わろうとしている。
世間の様々な変動に、気がツイていく事は、平凡で幸福な事なんだと、実感した。

祖谷を愛する、
多くの皆さん、
時に日々の暮らしに、心がギリギリになった時は、いつでもここを、訪れて下さい。
祖谷は、いつも、平静に、黙ったまま、あなたを包んでくれます。それは、自然界からの、永い永い慈悲の重なりのように、永遠と続いているのです。

新しい一年、
新たな、あなたの時間に向けて、
あなたの心が、
『愛』から始まりますように。
祖谷の寒風の空より、、お祈りします。

SAーNE
コメント (2)
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奥祖谷冬風景

2008年12月29日 | Weblog
奥祖谷山麓夜話
奥祖谷の庵にコールマン200Aの暖かいほんのりとした灯りが部屋を照らしていた
外は凍て付いた帳に包まれて静かだ。
「世は経済消費至上の崩壊でごった返しているよな、膨らんだフーセンが針の一突き
で破裂したね、脆いものだね、元々物質社会は本質的に幻想の世界だがね。」

「ところで奥祖谷もようやっと伝統文化を大事にしてゆこうと機運が出てきたね
手始めに茅葺き民家の葺き替えや修理が始まったな」

「東洋文化研究家のアレックス カー氏が奥祖谷釣井集落に茅葺き民家を修理して
「ちいおり」と称して居を構えて日本文化を見直そうと世界に発信し始めて久しい
またhideさんが村おこしをしながら自分も楽しもうと「てんご新聞」を発行し始めて
14,5年が過ぎて土地の人たちも目覚め始めたようだね。」

「話は変わるが、奥祖谷の山歩きはどうなのかな、ずいぶん山の自然が荒れ始めている
様な気がするのだがね」

「そうだな、ネット社会で山の情報はあっという間に広がるからな、此処4,5年で
むかしの50年分を圧縮したよなものだよね。荒れるのは当たり前だね。」

「特に1,2年前からHPの内容ががらりと変わったね、GPSのトラックログを公開
するからね、藪こぎも簡単に歩けるもんなあ。
GPSは持っていれば安全に繋がるからいいと思う、トラックログも自分が歩いた軌道が
残り次の登山に繋げていけるから素晴らしいと思うよ。
ただ残念なのはネットに公開する必要があるのだろうか?疑問に思うんだよな
公開によって手っ取り早くて、労せずして楽に藪こぎルートや未公開のルートを誰もが
歩き登山ルートを広げて自然が荒らされてゆくことに気づかないのだろうかね。」

「剣、祖谷山系で云えることは高知側はほとんどが国有林で保護され、立ち入り禁止
になっているようだね、だから通常ルートの登山がほとんどなんだろうね。
それに対して祖谷の方は民間の山持ちが多いから規制が効かないようだね、それで
歩き放題ってことだな。
普通なら人様の持ち山を歩かせて貰っているのだから、そっと歩くよなあ、、、、、、、、」

「うん、そうだなあ、、、、、山歩きは何なんだろうね、、、、、原点の想いはなんだろう?」

「うん、、、、、難しいことだが、ひとつ云えることは趣味の一つだろうね、色々言い方は
あるだろうが、結局のところは自己満足の趣味だろうな、大方の人はそのように想って
いると思うんだがね。」

「まあ、一概には云えないが、、、、、トラックログなど公開することないね
自分の自己満足のためにのみ締まっておくべきだな」

「僕は最近ある人からメールで頂いたが、その方は徳島の人から
「自分自身に心に残る山歩きができれば良いではないか」という言葉を貰って自分のHPの
運営方法を見直したそうだ、心ある人もいるのだから心強いよ。」

「そうだな、悲観することもないが、道のりが遠いよ、皆に理解してもらうのは?」

「自分自身に心に残る山歩きができれば、それで良いではないか、それ以上必要ないではないか」

奥祖谷の夜はしんしんと更けてコールマン200Aのランプの灯りが苦悩する友達と僕を
仄かに映し出して、それぞれが瞑想の世界に沈んでいった。

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奥祖谷冬風景

2008年12月11日 | Weblog
冬枯れの廃家
ジッと耳を澄ませてみましょう、奥祖谷の里歌が聞こえてきませんか
前庭にドレスの衣擦れがして踊りが始まるようですよ

コメント (3)
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奥祖谷冬風景

2008年12月07日 | Weblog
久保集落風景
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奥祖谷冬風景

2008年12月05日 | Weblog
久保集落から1806峰附近を眺望

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奥祖谷冬風景

2008年12月04日 | Weblog
落合峠標高1520から眺望する 雲海に浮ぶ影絵のような天狗塚と広大な牛の背






草と雪の白黒模様
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奥祖谷冬風景

2008年12月02日 | Weblog
落合峠から縦走、来し方を見れば縦走路の尾根の向こうに
前烏帽子山の端正な姿

中上集落の人たちは夕方に前烏帽子が見えなくなる頃まで農作業をして
一日を終えることから、親しみを込めて夜ぼしさんと呼んでいる。


ブログ 龍宮崖コテージで茅葺き民家ちいおりの茅葺き修理の模様が
紹介されています。興味のある方は東祖谷釣井の現場に見に行ってください。

ブログURL http://blogs.yahoo.co.jp/turugisanday/MYBLOG/yblog.html
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奥祖谷冬風景

2008年12月01日 | Weblog
祖谷の女

山に憧れ 祖谷に来た
真白き三嶺 仰ぎ見て
急げラッセル 樹林帯
ひとり佇む 君がいた
可愛いエクボ 祖谷の女

樹氷かがやく 雪道を
励ましあって ラッセルだ
赤いヤッケが よく似合う
山を愛する 祖谷の女

夕陽に染まる 四方の峰
祖谷の灯りが 見え隠れ
麓に住みし 君ならば
明日もきっと 逢えるだろう
赤いヤッケの 祖谷の女
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