秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

hideさんが行く

2009年05月31日 | Weblog
古風な風景であったが以前と違うようなと自問自答したところで
埒が明くわけもなくわたしは成り行きに任せてはいるものの瞬間に
過ぎ去る古風な風に愚問の呪いを唱えながら歩いている気配を
これはなんだったかと怪しんだ。

新緑のシャワーと小鳥の囀りの洪水のなかにありながら地面に
吸い込まれる不思議な感覚に苛まれ事態の推移を見守ろうと
そ知らぬ素振りを決め込む。
古風な風景は何処までも続いているように感じたが何時かは
途切れて終りが来るものであろうと高をくぐってみたところで
ぽっかりと穴が開いた奈落に突っ込んでもがく自分を見て
さて、如何したものかと急いで答えを見つけて決着を付けるであろうか。

何処までも急がず乱れず背骨を立てて全身から力を抜いて飄々と
歩くあの足取りで面倒がらずに人生を楽しんでいるhideさんを
わたしは目をむいで眺めたものだ。
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嘆きの風景

2009年05月29日 | Weblog
沢沿いはひんやりと水音も軽やかに射し入る朝日はあくまでも優しいものだが
降り注ぐ新緑の匂いを喰らい、あたふたと喘ぎながら白髪別れの登山道を詰める

尾根上の縦走路は春の陽射しも強くて汗が噴出すが、果たしてこれは何の匂いだ
当たり一面に異様な匂いがするが死の匂いのような、辺りを見回しても死体など
無いが、遠慮なく私の体内を埋め尽くして、私は鼻をつまんだ、顔をゆがめた
よろめいてあたり一面枯れ果てたクマザサの中に跪いた。

囁きが聞こえて、それは枯れ果てたクマザサの囁きであったが、喘ぎ、怒り、呪い
嘆きの枯れ果てたササの囁きであった。
お前さん、人間のお前さん達は鹿の食害でササが枯れたと云っているようだが
見当違いというものさ、私らは鹿の食料になるのは本望なのさ、鹿の命に役立って
いるからな、その事については何の恨みも無いのさ、
恨みに思うのは人間のお前さんたちの横暴勝手な振る舞いさ、
お前さんたちによってこの自然界の調和が打っ壊されて、
私らクマザサは瀕死の状態だからね

私らクマザサ族の恨みを思い知るがいいのさ

春の陽射しがめっぽう強くなるなかを私は縦走路の枯れ果てたクマザサの
恨み言に魘され、脅されながら三嶺へと登りつめた。
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やすらぎ

2009年05月05日 | Weblog


穏やかな日和、薫風を深々と受けて天狗塚を眺めて縁側に出された祖谷茶を
味わいながら談笑するひと時は生きていることを実感する。

飾りない生き方をしている老婦のさりげない言葉に心を揺さぶられ
収穫した作物に限りない愛情を注いで選別している微笑ましい姿に
慈悲、よろこびとやすらぎがすべてを包んだまま時間が過ぎる。




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山中童心

2009年05月03日 | Weblog


薫風吹きかえりて、山中童心これ亦よし

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