秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

暮らしの山里 風景の索漠はこころに沁みて

2014年03月28日 | Weblog

「いずれの花か散らで残るべき。散るゆえによりて、咲く頃あれば面白きなり」

「時分の花の咲く頃なれば、索漠を楽しむは、美しくあるものなり」

「秘すれば花、秘せぬは花なるべからず。」



花散らで無音乱舞や離散せし



































































































































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暮らしの山里 春彼岸は淡雪に寂莫たるもの

2014年03月23日 | Weblog

2012年の末に突然と亡くなった一人住まいのO老婦の家はそのままに寂莫としていた

昨年3月に訪れた時から時空間は止まったかのように、馬酔木が一本申し訳そうに白い花を

咲かせ、カヤの枯れ草の繁る道を隔てて、杉林に囲まれた白い屋根の家が秘かに佇んでいる

主を失った家、畑は寂として、索漠の風が吹き荒れて、辺りを覆いかかり、哀れにも

悲しい気持ちが身体を駆け抜けた

聞こえるものはただ一つ、飛行機型の片方しかない翼とプロペラの風車が悲しげな声を

カラカラ、カラカラと索漠の風に吹かれて叫ぶのみである

この風車のある展望の場所に老婦が何時までも暖かい日差しを頼りに腰掛けて風景を

眺めているのを下の林道から見かけると、急いで小径を上がっていったものである

いつも、笑顔でうれしそうに迎えてくれて、そう、小一時間ほど世間話をしては

還るのが常であった

いまは、誰ひろり居ない、寂として索漠のなかに身を置いて感慨に耽り、心身を空っぽに

することにして、風景のなかに沁みこんでいる

2軒ほどの民家が下の林道脇に立っているがすでに廃家である、この小高い展望場所に

腰掛けて眺め深い谷を隔て、残雪を被る塔の丸ー三嶺1806嶺ーその稜線を経て

西熊ー天狗峠ー天狗塚と連なる祖谷の名峰は寂莫として周囲の山里まで覆いかぶさる

だれひとり訪れることのないこの集落は時空間を停めているかの風景である

ただただ、毎夜のように猿、イノシシ、鹿、山ウサギなどの動物たちの横行が寂の

闇夜を切り裂くのであろうか、心中は索漠とした思いに満たされていった






























































































































































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菜菜子の気ままにエッセイ(彼岸とワタシと固い約束♪)

2014年03月19日 | Weblog

全国津々浦々
祖谷大好き読者の皆様、一ヵ月ぶりのご無沙汰を、ごめんなさいませ。
個人的に多忙だったまま、春彼岸になりました。
久しぶりの非日常
いつもの様に お墓の掃除兼お参りに、ヴヴヴ星人の、集落を目指す。
いつものお墓参りのコース
あんドーナツと、缶コーヒーを持参して、ちんたら進む、農道
農道の端にお爺さん
……
……
休んでいるのか?
倒れて立ち上がれないのか?
ワカラナイ
……
とりあえず ゆっくり走りながら
軽ーく 会釈してみた

頭を軽ーく 下げ返した…
あの表情なら?
歩いていて、くたびれて?
道の端っこで休んでいたんだ
多分?
……
……
しばらく 進むと
杖をつき、背中に 荷物をしょった お婆さん
とりあえず 前に向かって 歩いていた
※正確に書けば、少し斜めに 歩いていた

農道を抜け
本線に出たら
やたらと 軽トラばかりが 増えた様な
ピッピッと
ご挨拶
友達に遭遇すれば、そのまま 道路で停車して 後続車が来るまで、おしゃべりをする
国道なんだよね
国道なのに なぜか 非日常~

で 4時間ひたすら お墓の掃除をしながら
顔も見たことのない、仏様に 呟いた

『ご利益を待ってます~』
本当は 仏様にお願い事をしたらいけないのだけど、余りにも生活が貧相なままだから
切羽詰まって お願いをしたくもなる
ただの石に向かって、無駄な労力を使っているのかも?しれない

もし 無駄な労力を費やしているのなら、爽やかな幽霊に変身して、教えてほしいのだけど、
『じいやん、ばあやん、父ちゃん、母ちゃん、おじやん、早死にした従姉妹~
そして貴方~ついでにゴン~!

教えてよ~そちらは?どちらなの?ハナシバは仏様のお金だから、イッパイ挿してあげなさいって
言うけれど、あの世で お金って 何に遣うんだ?
頭が グチャグチャになる

で 軟らかいお菓子を持参して
ヴヴヴのお友達を訪ねた
おばちゃんは、畑に座り込んで 大地とひとつに なっていた
ジャガ芋を 植えていた

『あのの~みなが言うんじゃわ~そんがにようけ作らんと、わがが、食うびゃあだけ作ったら
ええのにって、ほんがなけど、どれびゃあ食うか、わからんきに、よわったもんよの~~~』

畑の中に
褪せた赤い古い 掃除機
数年前、猿避けに 置いていたらしい
効果は 無かったらしい
猿のお尻が赤いから、赤い物は 猿が嫌がるって?
その理論の根拠は どこからなんだい?

おばちゃんの 顔を見て 固い約束を 交わし去って行った わたくしでありんした。

約束って 何って?
約束は 約束
『すまんの~お菓子、ありがとよ~芋出来たら、すぐに、やるけんの~』

「あっありがとう!おばちゃんっ」

草 々
合掌〆








































































































































































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暮らしの山里 仲春の風景はパステルに包まれて

2014年03月12日 | Weblog

久保集落最上の手前に広がる茅場からの眺めは何時もこころときめくものがある

深い谷を隔てて前方に横たわる祖谷の名峰は雪解けの時を迎えながらも残雪を頂き

三嶺北西尾根ー西熊山ー天狗峠ー天狗塚ー牛の背と続き、何時間眺めても飽きない

茅場の奥にはT老婦の実家が3軒ほど点々と佇んでいるが、絶えて廃家となっている

茅葺の廃家は背景に白き嶺を覗かせる寒峰をいただき静寂に佇んでいる

T老婦を訪ねての帰りにはいつもこの茅場に立ち寄って何時までも眺めを楽しみ

この静寂にして索漠とした風景をこころに刻んで帰るのが常である













































































































































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暮らしの山里 仲春の里は寒暖の狭間に包まれて2

2014年03月06日 | Weblog

双方譲らず寒暖の鬩ぎ合いは世の常である、が、今年の寒波はかなり手強いものである

常なれば三寒四温の鬩ぎ合いからしずかに暖かさに移行するのだが、そうはならない

今回も1週間ぐらいは寒さが続くようである

雨続きでやっと朝晩が暖かくなったところに寒さがぶり返して雪混じりの天気だ

積もるほどの強さはなさそうであるが、山里のお年よりは困惑してばかりだ

畑仕事を急いで、じゃが芋の植え付けをしたいのだが、この天気では足踏みだ






仲春の8句


闇潜る祖谷山麓を水の春

春江や失せし集落里の江は

春塵や墳墓の花を汚しけり

寂なりし茅葺民家春の雷

祖谷山を奈落の果や鳥雲に

母の忌に悔悟自問や春の雪

隠遁す山家集持て西行忌

色町に上人坂や涅槃西風





































































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暮らしの山里 仲春の里は寒暖の狭間に包まれて

2014年03月04日 | Weblog

ぎしぎしと春が来たようだ、何時ものことだ、が、何か違う

ひとが汚した風と来たようだ、むかしは素直にそっと近づいたのだろう

汚れた風を畏れて春を迎えよう、恐る恐ると迎えよう




仲春の8句


草萌に石の裂目や漠なりし

三月に風の匂ひを畏れけり

祖谷川を索漠なりや雛流し

春めくや机上の写経敬ひし

風聞に啓蟄の日や侮るる

文学の小径や迷路春の山

み仏の教へ敬ひ水温む

祖谷山や平家落人雪の果
































































































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