秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ( もんてきたかえ~2020祖谷弁爆発~♪)

2019年12月24日 | Weblog


令和元年の師走。
今年も久保山の集落で、お爺さんとお婆さんは 大晦日を迎えようと しています。
お爺さんは 杖を両手について、庭先の若葉を取っておりました。
「じいさんよ、てんごのかわして、転ぶなろよ~」

お婆さんは 台所の土間から 声をかけました。
「オラは転ばんわの、山師は、身がるいんぞっ」
「ジイサンよ、いつの話、しよんぞ!?大昔の話やすなろよ~笑われるぞ~」

お婆さんは ブツブツ言いながら、昼食の片付けをしていました。
「婆さんよ、ヒデオとジョウジは、いつ、戻るんぞ、なんぞ、びんあったんこ?」
「もんてくるってイヨッタワ、けんど、遅うになるってイヨッタワ」
「あれらも、ええ歳になっつろが?ナンボになった?」

「そんつらん、覚えてやないわ、わがの歳も忘れたのに、子の歳や、いちいち覚えてやないわ~」
「婆さんよ、蕎麦は打ったんこ?」
「蕎麦も孫がネットっていうやつで、送ってくれるんじゃと、やんがて着くんじゃあないんかえ~」

その時、一台の軽四が庭先に停まりました。
小さな箱を抱えて、配達人がやって来ました。
「お~郵便の配達しよる、栗本の兄さんかえ~」

お爺さんの声を聞いて、お婆さんもすぐに外に出ました。
厚い雲の中、見え隠れする冬の太陽は、少しずつ山の裏の方向に傾いていきました。
「栗本の兄さんは、さいさい、祖谷のことをテレビにのしてくれて、祖谷のことが見れるって、しもの親戚しが、喜びよったぞ」

お爺さんが顔をほころばせると、
栗本の兄さんは、照れて微笑っておりました。
「変わりないみたいじゃなあ。今日は荷物が来てましてー」
「スマン、スマン、これを婆さんと、まっちょったんじゃわ~」

栗本の兄さんは、小さな機器を取り出して、荷物のラベルに翳していました。
ピッと 機器から音が出ました。
「なんぞしらんけど、それはなんぞの手品かえ~」

お婆さんは、兄さんの手元をじっと見ていました。
「兄さんやが、配達してくれるきん、わしらはこうやって孫からの蕎麦をもらえる。手紙ももらえる。
兄さんの仕事は、誰ぞと誰ぞをつないぞんぞよ、役所のひとやは、こんがな有難いことはしてくれん、これからも頼むぞよ~、
人の役にたつ仕事は、胸張って、続けていけよ~!!」
「爺さんも、まだぼれてないの~ええこと言うたわ!」

栗本の兄さんは、ペコリと頭を下げて、先日修理した軽四で帰って行きました。
そして、夕方
ヒデオとジョウジも無事に家に着きました。

ジョウジは、お婆さんに言いました。
「車の中で、ずっと小難しい話するさかい、耳が疲れた。なんや、令和とか、日本とか、気にくわん、
日本はアメリカに追従じゃ言うて、えらい、熱弁しとったわ。あれのメンドイのは、親父に似たと思うでなあ~」

お婆さんは、荷物のガムテープを上手く取れなくて、カマの先をガムテープの真ん中に、突き刺しながら、聞いておりました。
ヒデオはスマホを持って、ジョウジの側に来ました。ヒデオが、一言 叫びました。
「あ~充電器忘れた~」
それを聞いたお爺さんが 声を張り上げて言いました。
「懐中電灯ならあるぞっ!!」
四人は 互いに 歳をとった現実を 固まったまま、再確認しておりました。

END
菜菜子師走の一句

飲み干した
しあわせの
空のボトルを振ってみる
読者の皆様、
本年もありがとうございました。良いお歳をお迎え下さい。
かしこ








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菜菜子の気ままにエッセイ( スマホとわたしと・時々独り言 )

2019年12月18日 | Weblog


前略。
お仕事を終えて、帰宅した19時過ぎ。
いつもの様に、薄暗がりの中で家のポストを開ける。郵便受けを目一杯使って、
ポストからはみ出した薄いA4サイズの郵便物が入っていた。
巨大な文字が、飛び込んできた。
巨大な文字は2センチ×2センチを一文字として、白を背景とした郵便物の表面を黒の17文字が占領している。
まるで文字による、恐喝みたいに感じた。


この機種の
修理受付終了の
ご案内です。


そして、毎日見ている、私のガラケーと同じ機種の同じ色がカラーでその文字の下に印刷されている。
そして、小さめの文字で、
今スマホへ機種変更される方に、店頭にて
(次は大きめの文字で)
特別割引実施中!

……
わたしが 何か罪悪人みたいな?
何かの 督促状みたいな?
宛名には一文字五ミリで、
案内にはその四倍の2センチ×2センチって、質が悪い文字のバランス。

修理受付終了って、
携帯電話の修理なんか、お願いしたこともないのに、まして、今まで事前に終了のお知らせさえないのに、
何故今頃になって、いきなり終了のみを伝える上から目線なんだ~!!
必ずお読み下さいと書いてあるので、取り敢えずダイレクトメールの中を見た。

表より一回り小さな文字で、
○○○○さまが
ご利用中のケータイは、
修理受付が終了しています。
とご丁寧に書いてある。
再びピンクの携帯電話が、印刷されている。

中にこれだけ 大きく印刷しているのに、
表にそれ以上の大きな文字と機種まで印刷する、DOCOM○の根拠は何なのか… 個人情報の侵害に該当しないのか!!
絶滅寸前のガラケー人類に対する、嫌がらせに等しいっ!いやっ、これは挑戦状か!!

「ラインが出来ないから、お願いだからスマホにして」
「写真がすぐに見れないから、お願いだからスマホにして」
「母ちゃん…
いつになったら、スマホに替えるん?」

数々のご指摘を受けつつ、いつも 心の中で呟いた。
「今、自分が必要と思わないのに、何故、替えなければならないの?」
面倒くさい病は、さておき
自分の価値観だけで、暮らしているから
強制的に変えられる社会のしくみが、不快だ。

テレビはケーブルテレビに加入しなければ、絶対に見れませんとお役人に言われ、強制加入になり
それと共に 某テレビ局の手下の集金人がうろついたり
望んでもいないのに、村は合併し
あの合併で得をした人は、誰なんだ?と
疑心暗鬼の塊になった、オバサンは、猛スピードで粗悪になっている。

みんな
スマホを見ている
みんな
イヤホンで音楽を聴いている。
若者は
スマホを片時も離さない。
ほとんどの方々が、
「スマートフォンによる、ウイルス」に感染しているみたいだ。
※所有者全員ではありません。あしからず。

判らないことは、すぐに
「ググる」
マニュアル通りのお仕事は出来るが、
アクシデントにはすぐに対処できない。臨機応変も利かない。
現在の一部の?若者の特徴でございます。
「美しの国・日本」
を崩壊させていったのは、「お金」と利権に群がる、賢いのか、賢くないのか判らない!?方々ではないのか!!
こら~~
『たいがいに せえよ!!』
と呟きながら、
日曜日に制作する、毎年恒例の大凧の絵が、まだ決まっていない。
一年って 早いね~。
そして、手元にある、ダイレクトメール。

契約変更の方限定
機種代金から
11000円引
12月31日まで

いちまんいっせんえん
は 大きい。
私は この戦に 負けたのか?
……
とりあえず、大凧 頑張ります。

草 々




































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里山に冬枯れの風景を求めて

2019年12月10日 | Weblog


左腕の筋肉痛がなかなか治まらないのにうんざりの毎日なのだが、日にち薬でしか無いと観念して
気持ちを切り替えようと、ぼくの大好きな冬枯れの風景のなかにどっぷり浸かってみようと、近くの里山に行った
冬枯れの登山道に一歩足を踏み入れると、ああ!いいよなあ!

身体中に木々の会話、小鳥のさえずり、キーンとした空気感が沁みこんで、頭真っ白
静寂の真っ只中に居る心地よさはぼくにとっては何ものにも変え難い風景だ
赤い実が落ち葉を背景に浮き出て美しいな、ゆるりと歩いていると

キイーキイーと鳴き声、何かを齧るような小さな音が前方で聞こえた、木の上ではない、地面だ
じっと立ちすくんで目を凝らすと、ニホンリスが3匹ほど走り回っている
カメラを構えるがじっとして無い、やっと視野に入ったリスにシャッターを連続乱射した、まぐれで撮れていた、

































































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