秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷春点描 暮らしの初夏

2011年05月12日 | Weblog
集落の近くから車を降りて歩き出した、初夏の陽ざしは春とは違って
じわりと汗を滲ませ、風も無く蒸し暑い日である。

しばらくして、林道の下に綺麗な満開の花の木とすぐ横に廃家を見た
崩れ落ちて穴が開いた茅葺廃家は何十年も前に集落を後にしたか
または、絶えてしまったであろう、傷ましく哀れである。

ちょっと離れて同じような茅葺廃家が3軒ほど並ぶように朽ち荒れて
いままさに自然に還るような風情であった。

この集落はもう、何軒も残ってないのであろうか、歩を進めるほどに
所々に廃家を見るのみで、住んでいる人に会えない。

なんとなく寂しい想いで歩いていたが、人のいる気配を感じた畑に出くわした
四方に、天井に張り巡らした網の畑の中には季節の野菜や芽を出したジャガイモが
綺麗に整備されて、植わっていた。

林道のすぐ上にある家の庭にお邪魔すると庭に座って選定をしているおやじさんに
挨拶した、この集落を歩いていて初めて人に会い、口を訊いたわけである。
おやじさんも快く応じてくれて、いろいろと話が弾んだ。

おやじさんはNさんという、84歳だそうだ、いまは奥さんと二人暮らしで
娘さんが京都に嫁いでいる、連休に帰ってきていろいろと世話を焼いてくれ
病院へも連れて行ってくれた、いまさっき、帰っていったそうである。

そういえば、途中で車で下りてゆく女のひとに会ったが、そのひとであろう
道のしたの綺麗な畑は、おやじさん夫婦で作っているそうだが、それにしても
あまりにも綺麗に作っているので、最初は若い衆でも居るのかと想ったものだ

奥さんも出てきて賑やかな会話になった、これだけ網を張り巡らしても
サルは頭がいいので掻い潜って入るそうだし、鹿は周囲の山菜や草を
猪なども荒らしてゆくと口では怒って云うのだが、みんな、人間と同じで
食うていかないと死んでしまうわなあーと諦め半分、自然には従わんとなあと
いった、長年の生活の智慧は自然体で、ここちよいものであった。




























































































コメント
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