深夜22時。コーヒーを、マイポットに持参!
軽トラで、イザッ、向かう先は、2キロ離れた、民家のない橋の上。約束通り、まっーー暗!
橋の欄干スレスレに、車を止め、環境問題を無視し、エンジンON!
ひたすら空を見つめる。
深閑の夜空に、
無数の星達が放つ、光の贈り物。
三台、車が通り過ぎる。
『私は身投げではありません!』
と伝えるすべもなく、ひたすら、空を見た。
自宅を出る時から、練習してた。
ある『早口言葉』
流星を見つけたら、素早く願いを、かけるのだ!
いきなり、流れ星!
また、流れる。
さんこめ、
よんこめ、
超ロングバージョン!
早口言葉と、反射神経は、因果関係がある。運動神経にも、関係するんだ。
たぶん…。
アレホド、練習したのに、私が口にした言葉は、以下の四回。
『あれっ?』
『ヘッ?』
『うお~』
『ナガーー』
あれほど、練習した
『お金、金、金、金』
は一度も、言えなかった。
帰宅したのは、24時前。シンデレラみたい。王子様は、待ってはいなかったが、老犬と、無口な位牌が待っていた。
そして、
今夜も、再チャレンジ!
家のすぐ横の、道路の真ん中で、
22時から、厚手の防寒着を纏い、
ひたすら、空をみた。
本当は、今夜も、橋に行きたかったんだけど、〈火のないところに煙はたたない〉
なんて、村では通用しない!
〈火種すらないのに、煙を作られる〉
事も、しばしばある。
深夜の、行動は慎重になる。
橋からの、景観程ではないけれど、
まあ、まあ、広い夜空。
川の音!
匂いなし!
キリッとした外気!
闇を切り裂く、
ゴンの
『ぐわぉん』
ゴンに気付かれないように、マイケルジャク〇ンのムーンウオークのように、
しなやかに後ずさる。
流星は、
五回。
いきなり、
スーと登場する。
不意に、流れる。
『あ~』
『エッ?』
『ヘッ?』
『あー、お金』
『あ~あ』
最後まで、言えなかった。
寒かったです…
全体を少しでも見たかったので、
思いきり、上体を反らし、
イナバウワーを取り入れてました。
首、痛いです。
身体も、冷えました。二時間、がんばりました。
流星群は、
町の空でたくさん、見られたみたいです。
長女が、自慢してました。
昔、剣山の頂上で、毎晩見上げた、星は、最高に美しかったです。
長女に、すぐに自慢仕返しました。
『風邪、ひくよ!』
と叱られました。
。
神秘!
無限!
天命!
流星に乗って、
〈輪廻転生〉?
なんか、ワクワクする
早口言葉は、言えなかったけど、
『汗の分だけ頑張って、笑って、一日が終われば』
きっと、みんな、流星よりも、キラキラして、
カッコイイんだ。
ワクチンは、当分回って来ないけど…
中高年よ、忠幸年よ!
共に頑張ろう!
母なる地球の、神秘の生物。
人間、バンザイ!
軽トラで、イザッ、向かう先は、2キロ離れた、民家のない橋の上。約束通り、まっーー暗!
橋の欄干スレスレに、車を止め、環境問題を無視し、エンジンON!
ひたすら空を見つめる。
深閑の夜空に、
無数の星達が放つ、光の贈り物。
三台、車が通り過ぎる。
『私は身投げではありません!』
と伝えるすべもなく、ひたすら、空を見た。
自宅を出る時から、練習してた。
ある『早口言葉』
流星を見つけたら、素早く願いを、かけるのだ!
いきなり、流れ星!
また、流れる。
さんこめ、
よんこめ、
超ロングバージョン!
早口言葉と、反射神経は、因果関係がある。運動神経にも、関係するんだ。
たぶん…。
アレホド、練習したのに、私が口にした言葉は、以下の四回。
『あれっ?』
『ヘッ?』
『うお~』
『ナガーー』
あれほど、練習した
『お金、金、金、金』
は一度も、言えなかった。
帰宅したのは、24時前。シンデレラみたい。王子様は、待ってはいなかったが、老犬と、無口な位牌が待っていた。
そして、
今夜も、再チャレンジ!
家のすぐ横の、道路の真ん中で、
22時から、厚手の防寒着を纏い、
ひたすら、空をみた。
本当は、今夜も、橋に行きたかったんだけど、〈火のないところに煙はたたない〉
なんて、村では通用しない!
〈火種すらないのに、煙を作られる〉
事も、しばしばある。
深夜の、行動は慎重になる。
橋からの、景観程ではないけれど、
まあ、まあ、広い夜空。
川の音!
匂いなし!
キリッとした外気!
闇を切り裂く、
ゴンの
『ぐわぉん』
ゴンに気付かれないように、マイケルジャク〇ンのムーンウオークのように、
しなやかに後ずさる。
流星は、
五回。
いきなり、
スーと登場する。
不意に、流れる。
『あ~』
『エッ?』
『ヘッ?』
『あー、お金』
『あ~あ』
最後まで、言えなかった。
寒かったです…
全体を少しでも見たかったので、
思いきり、上体を反らし、
イナバウワーを取り入れてました。
首、痛いです。
身体も、冷えました。二時間、がんばりました。
流星群は、
町の空でたくさん、見られたみたいです。
長女が、自慢してました。
昔、剣山の頂上で、毎晩見上げた、星は、最高に美しかったです。
長女に、すぐに自慢仕返しました。
『風邪、ひくよ!』
と叱られました。
。
神秘!
無限!
天命!
流星に乗って、
〈輪廻転生〉?
なんか、ワクワクする
早口言葉は、言えなかったけど、
『汗の分だけ頑張って、笑って、一日が終われば』
きっと、みんな、流星よりも、キラキラして、
カッコイイんだ。
ワクチンは、当分回って来ないけど…
中高年よ、忠幸年よ!
共に頑張ろう!
母なる地球の、神秘の生物。
人間、バンザイ!
のっそり、おっとりとして無口なひでさん、久しぶりにジャズフェスタの
夕方会場の武家屋敷にスクーターでやってきた。
茫洋としたその風貌からは以前会っていた頃の元気が少し影を潜めてはいたが
ひと懐こい笑顔は相変わらずであった。
体の調子があまりよくないそうであるが、それでも早速囲炉裏の傍に陣取って
炭火の番をするころは温まってか、笑顔で炭の並べ方を指図しながら談笑していた。
ひでさんとは確か二度ほど初日の出を拝みに剣山に一緒に登ったと思うが
最初は、5,6年前だったが、山頂は雲が多くてはっきりとは見えなかったと
記憶している。
二度目は2007年の元旦に祖谷の有志の何人かで登ろうということになり
わたしは家内を連れて午前3時頃、見の越登山口に着いてみると、ひでさん
だけで他の衆は風を引いたり、下痢ぎみで体調不良で来てなかった。
で、ひでさんと私と家内の3人で登りはじめたが西島のところでひでさんが
「おらあ、ここでしばらく休んでいく、先に行ってや、雲が出てきたけん
あまり期待できんぞ、ええ写真も撮れんかもしれん、ゆっくり行くけん」
それで先に山頂に登ったが、ひでさんの思いとは違って素晴らしい初日の出を
拝む事ができ、家内などは感激しきりであった。
結局ひでさんは登って来ずに、西島から下山したそうであるが、元々あまり
元気な身体ではないそうだから、かなり、しんどかったのであろう。
久保を通りかかり、わたしが居るのがわかると車を止めては、「やりよるかい
今度は何時までいるんかな、山に登ったかい」
といつも声をかけてくれていたが、久しく会わなかった、人づてにあまり体調が
よくないらしいと聞いていたので、ジャズフェスタであった時はほっともし、
安心もしたのである。
落合峠の紅葉 菜菜子さん携帯写真
落合峠 もう見ごろになっている。
ひでさんと自慢のスクーター
夕方会場の武家屋敷にスクーターでやってきた。
茫洋としたその風貌からは以前会っていた頃の元気が少し影を潜めてはいたが
ひと懐こい笑顔は相変わらずであった。
体の調子があまりよくないそうであるが、それでも早速囲炉裏の傍に陣取って
炭火の番をするころは温まってか、笑顔で炭の並べ方を指図しながら談笑していた。
ひでさんとは確か二度ほど初日の出を拝みに剣山に一緒に登ったと思うが
最初は、5,6年前だったが、山頂は雲が多くてはっきりとは見えなかったと
記憶している。
二度目は2007年の元旦に祖谷の有志の何人かで登ろうということになり
わたしは家内を連れて午前3時頃、見の越登山口に着いてみると、ひでさん
だけで他の衆は風を引いたり、下痢ぎみで体調不良で来てなかった。
で、ひでさんと私と家内の3人で登りはじめたが西島のところでひでさんが
「おらあ、ここでしばらく休んでいく、先に行ってや、雲が出てきたけん
あまり期待できんぞ、ええ写真も撮れんかもしれん、ゆっくり行くけん」
それで先に山頂に登ったが、ひでさんの思いとは違って素晴らしい初日の出を
拝む事ができ、家内などは感激しきりであった。
結局ひでさんは登って来ずに、西島から下山したそうであるが、元々あまり
元気な身体ではないそうだから、かなり、しんどかったのであろう。
久保を通りかかり、わたしが居るのがわかると車を止めては、「やりよるかい
今度は何時までいるんかな、山に登ったかい」
といつも声をかけてくれていたが、久しく会わなかった、人づてにあまり体調が
よくないらしいと聞いていたので、ジャズフェスタであった時はほっともし、
安心もしたのである。
落合峠の紅葉 菜菜子さん携帯写真
落合峠 もう見ごろになっている。
ひでさんと自慢のスクーター
彼是7,8年前であろうか、祖谷で写真ブームになったことがある
好奇心のある土地の人たちは一眼レフカメラを我も我もと買った
それも半端のカメラではない、数十万のカメラだ。
仕事の合間にカメラを携えて山の風景や花など、腕自慢、カメラ自慢
に興じ、ちょっとした空きスペースがあると展示して競い合ったものである。
あのときの熱はどこへやら、跡形もなく話題にもならないが、
バカチョンカメラで撮っていて、土地の人によく言われるのが、
「そんなカメラで撮れまい、おらも、写真好きじゃが、
持っているカメラは凄いぞ、100万近いしたわい
それ持って三嶺、天狗と駆けずり回ったものよ」
「ところで、おやじさん、そのカメラ、今でも使っているの?」
「久しゅう使わんでの、この間どうなっているか物置から出してみたら
レンズにカビがきていたわい、カメラ屋に持っていったら、修理に
えらい高いこと云われてそのままじゃあー」
祖谷には高価な一眼カメラがカビだらけになって、物置から
ゴロゴロ出てくるそうである。
好奇心のある土地の人たちは一眼レフカメラを我も我もと買った
それも半端のカメラではない、数十万のカメラだ。
仕事の合間にカメラを携えて山の風景や花など、腕自慢、カメラ自慢
に興じ、ちょっとした空きスペースがあると展示して競い合ったものである。
あのときの熱はどこへやら、跡形もなく話題にもならないが、
バカチョンカメラで撮っていて、土地の人によく言われるのが、
「そんなカメラで撮れまい、おらも、写真好きじゃが、
持っているカメラは凄いぞ、100万近いしたわい
それ持って三嶺、天狗と駆けずり回ったものよ」
「ところで、おやじさん、そのカメラ、今でも使っているの?」
「久しゅう使わんでの、この間どうなっているか物置から出してみたら
レンズにカビがきていたわい、カメラ屋に持っていったら、修理に
えらい高いこと云われてそのままじゃあー」
祖谷には高価な一眼カメラがカビだらけになって、物置から
ゴロゴロ出てくるそうである。
一ヶ月あまり雲上寺を留守にするし、ブログの更新は投げ出すわの
無責任にも気ままに雲隠れした宮の内和尚は埃やくもの巣の張った
雲上寺を殊勝にも綺麗に掃除をして縁側に大の字に寝そべって一息いれた。
さてと、ジャズフェスタは適当に楽しんで、翌日の片付けは
遁走して先ずは三嶺に登らにゃなるまいと良からぬ計画を巡らした。
ジャズフェスタin祖谷は賑やかに盛り上がったが、賑やか過ぎて
肝心のジャズの雰囲気にはいまひとつであった。
良からぬ計画に飛び乗ってきたのが、yoriyanであったのは良かったのだが
なにしろ、一ヶ月あまりのぐーたら生活で宮の内和尚はへなちょこ、骨抜き
の鈍ら坊主になってしまったのか、三嶺のマユミの木の辺りから足が攣り
はじめて、鈍足、休み休みに陥った。
それを見たyoriyanは今までのyoriyanではなかった、わしゃあ、知らん、
先に行くわとすたこらしょと見えなくなってしまったものである。
和尚は不甲斐ないわが身を反省しながらやっとの思いで山頂について見ると
岩の上にちょこなんと座って涼しい顔をしているyoriyanを見て、和尚は
持ちべき者は友であると思ったのである。
岩の襞、翳と木々の襞、翳と風景の襞、人の襞を刻む。
無責任にも気ままに雲隠れした宮の内和尚は埃やくもの巣の張った
雲上寺を殊勝にも綺麗に掃除をして縁側に大の字に寝そべって一息いれた。
さてと、ジャズフェスタは適当に楽しんで、翌日の片付けは
遁走して先ずは三嶺に登らにゃなるまいと良からぬ計画を巡らした。
ジャズフェスタin祖谷は賑やかに盛り上がったが、賑やか過ぎて
肝心のジャズの雰囲気にはいまひとつであった。
良からぬ計画に飛び乗ってきたのが、yoriyanであったのは良かったのだが
なにしろ、一ヶ月あまりのぐーたら生活で宮の内和尚はへなちょこ、骨抜き
の鈍ら坊主になってしまったのか、三嶺のマユミの木の辺りから足が攣り
はじめて、鈍足、休み休みに陥った。
それを見たyoriyanは今までのyoriyanではなかった、わしゃあ、知らん、
先に行くわとすたこらしょと見えなくなってしまったものである。
和尚は不甲斐ないわが身を反省しながらやっとの思いで山頂について見ると
岩の上にちょこなんと座って涼しい顔をしているyoriyanを見て、和尚は
持ちべき者は友であると思ったのである。
岩の襞、翳と木々の襞、翳と風景の襞、人の襞を刻む。
祖谷を歩いていて突然のようにブラックホールに吸い込まれるような
寂寥感がわたしを包んでしまうことがある。
それは滑落感では無くてあるべき位置からズルーズルーと横滑るような
ほの暗い斜面をずれる感覚なのだが、わたしのあるべき位置など
元々ないのは判ってはいても、寂寥感をぬぐえない。
現代への失望、怒り、焦燥が齎すものなのか、彷徨える現代は何の展望も
見えず、やたら経済、科学に望みを繋ぐものの、それで万事が解決する
はずも無い、まるで闇夜の流砂のごとくにずるずると滑り落ちる。
将来像さへ示せない現代は太陽の核融合を地上で再現したところで
ブラックホールに手を突っ込んだようなもので、吸い込まれて跡形も無い
ことになりはしないか。
あてどない流砂の行方はまさに、無の世界のようだ。
寂寥感がわたしを包んでしまうことがある。
それは滑落感では無くてあるべき位置からズルーズルーと横滑るような
ほの暗い斜面をずれる感覚なのだが、わたしのあるべき位置など
元々ないのは判ってはいても、寂寥感をぬぐえない。
現代への失望、怒り、焦燥が齎すものなのか、彷徨える現代は何の展望も
見えず、やたら経済、科学に望みを繋ぐものの、それで万事が解決する
はずも無い、まるで闇夜の流砂のごとくにずるずると滑り落ちる。
将来像さへ示せない現代は太陽の核融合を地上で再現したところで
ブラックホールに手を突っ込んだようなもので、吸い込まれて跡形も無い
ことになりはしないか。
あてどない流砂の行方はまさに、無の世界のようだ。
思いだしたように鹿鳴きが微かに聞こえてくる久保集落のなかほどまで
歩いて山梨の果実が多数生っているのを確かめて、酸っぱくて食えないのに
何故かにんまりしてしまうのである。
山梨の果実を透かして仰ぎ見る天狗塚の風景は、なぜだか気に入って何時もながら
一時のあいだ眺めやるのが常となっている。
林道をくるりくるりと歩いて、天狗の具合を尋ねて、靄が懸かっているの、雲に
隠れたのとヤキモキしているうちに、集落最上部の家に何時ものようにのっそりと
たどり着いてしまうのである。
庭の片隅の小さな小屋の入り口にかまどがあり、飯釜が掛かり薪が燃えて
片隅には籠に取ってきたばかりであろう栗が入っていた。
居間から降りてきたT老婦がわたしを見つけて「久しゅう見んかったが、元気
だったかえ」と声をかけて「いまから、栗を茹でるでのうえ」とかまどのある
小屋に入って前に座り込んだ。
手際よく栗を入れて、茹で上がるまでの間、久しぶりのわたしに
最近の出来事などをぼつりぼつりと話してくれたが、その表情は穏やかであった。
以前、今年の1月に大阪に居た長男(50歳)を亡くして悲嘆にくれて慰めようが
なかったが、畑仕事と時間の経過やこの奥祖谷の風景と空気、とりわけ朝に、夕に
仰ぎ見る天狗塚が癒してくれているであろうと思うにつけ、ああ、やっぱり山は
いいものだ。
歩いて山梨の果実が多数生っているのを確かめて、酸っぱくて食えないのに
何故かにんまりしてしまうのである。
山梨の果実を透かして仰ぎ見る天狗塚の風景は、なぜだか気に入って何時もながら
一時のあいだ眺めやるのが常となっている。
林道をくるりくるりと歩いて、天狗の具合を尋ねて、靄が懸かっているの、雲に
隠れたのとヤキモキしているうちに、集落最上部の家に何時ものようにのっそりと
たどり着いてしまうのである。
庭の片隅の小さな小屋の入り口にかまどがあり、飯釜が掛かり薪が燃えて
片隅には籠に取ってきたばかりであろう栗が入っていた。
居間から降りてきたT老婦がわたしを見つけて「久しゅう見んかったが、元気
だったかえ」と声をかけて「いまから、栗を茹でるでのうえ」とかまどのある
小屋に入って前に座り込んだ。
手際よく栗を入れて、茹で上がるまでの間、久しぶりのわたしに
最近の出来事などをぼつりぼつりと話してくれたが、その表情は穏やかであった。
以前、今年の1月に大阪に居た長男(50歳)を亡くして悲嘆にくれて慰めようが
なかったが、畑仕事と時間の経過やこの奥祖谷の風景と空気、とりわけ朝に、夕に
仰ぎ見る天狗塚が癒してくれているであろうと思うにつけ、ああ、やっぱり山は
いいものだ。
過ぎ去ってゆく影を追いかけて私は何時ものことだがこの地を訪ねては
記憶の散歩道を茫々と辿るのを常としている。
茅道をのろのろと歩きながら記憶をたぐり、時の川を遡るが秋の所為なのか
何も告げずに過ぎ去ってゆく影、断りもなく消えて気配に殊更胸がさわぐ。
やれ、季節の移り変わりが速すぎるの、これではまるで置いてきぼりだの
あたらしいものが判らないのとわめき散らしたところで、茅道の角を曲がれば
過ぎて逝った世界の残像のなかに私は生きているのであろう。
自分自身という手に負えない生き物とあやうい影がお互いを窺いながら
あうだ、こうだと喚いたところで、埒もない。
わたしは秋を茫々と考えながら記憶の反証をたぐり、あやうい影を追いかけて
凛と静まり返る茅道をのろのろと歩く。
高貴な気配さえする茅道は果てしなく続いているのではないかと疑いたくなるが
やがて、過ぎ去っていった影のごとくに民家にたどり着いた。
記憶の散歩道を茫々と辿るのを常としている。
茅道をのろのろと歩きながら記憶をたぐり、時の川を遡るが秋の所為なのか
何も告げずに過ぎ去ってゆく影、断りもなく消えて気配に殊更胸がさわぐ。
やれ、季節の移り変わりが速すぎるの、これではまるで置いてきぼりだの
あたらしいものが判らないのとわめき散らしたところで、茅道の角を曲がれば
過ぎて逝った世界の残像のなかに私は生きているのであろう。
自分自身という手に負えない生き物とあやうい影がお互いを窺いながら
あうだ、こうだと喚いたところで、埒もない。
わたしは秋を茫々と考えながら記憶の反証をたぐり、あやうい影を追いかけて
凛と静まり返る茅道をのろのろと歩く。
高貴な気配さえする茅道は果てしなく続いているのではないかと疑いたくなるが
やがて、過ぎ去っていった影のごとくに民家にたどり着いた。