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授業の後半で子どもの学びが集中してきた。その部分の授業の展開を記してみる。
1 この時間に扱った教材文は以下である。
①えいがに行くときも、歌の練習をするときも、いつもいっしょだった。②二人で、あちこちがきらきら光っている、ダイヤモンドみたいな大きな石を見つけたこともある。③二人でいっしょに、学校の絵をかいたこともある。④ビクターは、すっごくいい友だちだ。⑤わたしのひみつを、ほかの人に話したりしないし。⑥あんな友だちは、なかなかいない。
「いい友だちがいなくなって、さびしいよ。もどってきてくれないかな。」
わたしは、一セント玉をぎゅっとにぎりしめて、小声でそっと言った。なんだか悲しくてしようがなかった。
2 授業記録
T「いい友だちがいなくなって、さびしいよ。もどってきてくれないかな。」
とい気持ちになったのは、この会話文より前なのか、後なのか。どちらですか。
C前にあります。
Tでは、前の文のどこですか。文を分けてみるよ。いくつの文からできている。
C6つです。
T(上記のように①~⑥に分ける。)
Tでは、どこなのか①~⑥の中で決めてください。
C①、②、③、はなし、④は13人、⑥は16人
Cはビクターと遊んだ思い出だけである。⑤も同じです。
残念ながら授業はここで時間がなくなり終わってしまった。この後は、もう少し④と⑥について、どちらなのか話し合わせたかった。例えば④の「すごくいいともだちだ」の内容は何か、「すごく」ってどういうことか。⑥の「なかなかいない」からどうしたのだ。「あんな」って何。等々である。
3 授業の考察
初任者の4月初めの授業である。しかし、やりようで子どもは集中するし、文や言葉を読むようになる。またよく考えるようになる。
この場合のやりようとは、何か。それは、「答えは前にあるか後にあるか」「①~⑥の文のどれか」という選択肢のある問題を提示したことである。この発問は、文章にかえる問題である。読まなければ選択できない。また、比べるという作業を伴うことで考えることも要求される。この時に、子どもの学習に対する全員の参加がなされる。これだけでも子どもは学習に集中し、興味を持つのである。何が正しいのかディスカッションする必要も生まれてくる。
これが、一般的には「いい友だちがいなくなって、さびしいよ。もどってきてくれないかな。」と言ったときのノービィの気持ちはどうですか?とやってしまうことが多い。これでは、誰にでも答えられるし、考えなくてもよい。同じような答えが子どもたちから返ってくるだけで、ディスカッションする必要もない。文や言葉に注目する必要もないのである。
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