数年前から教育の空洞化が進んでいるようである。特に学力テストの結果の公表や現政権の教育に対する考え方からそのようなことが言えるのではないだろうか。
学力テストの成績結果の公表により、教育の内容や質が変わったようである。まず、現場では、学力テスト調査の対象となる教科を重視するようになったことである。そのことにより次のようなことが起こってきた。
○学力調査以外の教科の軽視につながり、例えば、図工や体育、音楽、家庭科などの教科が軽視されてきたことである。これは具体的には、これらの教科の時間数の削減もあったり、削減がなくても心情的に軽んじてしまうということが起こってきている。
○学力テストの過去の問題をやらせたり、調査対象の教科のドリル学習を増やしたりもしている。これらの時間を生み出すために、学校行事などの時間も削減されてきているようである。
次に現政権の教育に対する考え方も教育に大きな影響を与えているようである。例えば、
○人文学の知は、大学再編の標的とされ、文学部や教養課程の消滅などの話が出てきている。
○経済優先を目的とするために、すぐに役立つ教科や内容を求めている。
○全教科でアクティブ・ラーニングの学びを取り入れる。道徳の教科化、小学校の英語の教科化、さらにプログラミングの勉強等も要求されている。
○上記により、教師の忙しさはいっそう加速されてきている。OECD(経済協力開発機構)の調査でも日本の学校の忙しさが随分以前から叫ばれているにもかかわらずいつまでも改善されない。忙しさは、教育にはもっともなじまないものであるというのに。
※ノーベル賞受賞者である大隅良典、天野浩、大村智の各氏は「役に立つかどうかという観点だけで科学を捉えると、社会をダメにする」というようなコメントも寄せている。
これらのことにより、教育の空洞化が進んでいるようでならない。みなさんはどのように思われますか。
※学校・学級づくり、授業づくりに協力します。お声を掛けてください。研修での講話や体験型研修をボランティアで行います。ホームページ「浜松授業研究の会」のお問合せ、ご連絡に記入してください。または、このブログのコメントに記入していただいても結構です。