松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

表現活動の指導について

2012-01-29 19:16:34 | Weblog

 

 表現活動(オペレッタ・劇・身体表現など)の指導が苦手な教師がいると思います。まず、やりやすいところから挑戦しましょう。例えば、柔軟体操やステップをしっかりやらせることです。それもいくつかの種目をセットして、教師のいない場合(授業の開始に自分たちでやる)にもできるようにしておくとよいでしょう。それらが上手にできるようになれば、音楽に合わせてやれば気持ちよく美しくできるようになります。それがオペレッタの演技、運動会、学習発表会、公開研究会などにも生かせます。
オペレッタでも柔軟体操でもマット運動でもできるところからやり出すことが大切です。全てが万全にそろわないとできないと考えるといつまでもできないものです。例えば、オペレッタの場合でいうと、台詞を覚えさせる、子どもに少しずつ伴奏が弾けるように頼んで練習させておく、歌の一部でもよいから歌ってみる、柔軟体操やステップの場面をつくってやってみるなどです。それが指導の突破口となり、自信となり、次に進んでいくものです。自分で全部やろうとすると大変です。学年で話し合ったり、指導の経験のある先生に相談したりすることもよいでしょう。とにかく10日あれば10日の練習ができます。5日になれば5日間しかない練習になります。毎日少しずつの実践が何より大切なのです。時間をシビアに使いましょう。

教育メモ~教師の実践で大切なこと

2012-01-25 22:14:45 | Weblog
         

1 教育の仕事は創造的なもの
  自分の実践で自分の事実を創り出す、楽しい仕事である
実践者における「事実」とは華やかで英雄が出てきたり、新聞やテレビで報道され たりするようなことではない。誰も知らなくてもよい。教師と教室の子どもたちだけ が、今日動いた一つの事実を、喜んだり、あるいは落胆したりして積み上げていくも のだと考えたらよい。そういう仕事をしている教師を「実践者」というのである。何も大論文でも、目を見張る実践記録でなくてもよい。
20坪の教室にこもって、具体につき、「事実」を動かす「授業」をきちんとすること。世の教師は何も右往左往することはない。

2 教師の仕事は、授業や学校行事の中で子どもを変え、子どもに力をつけることである。

3 質の高い授業や学校行事を追求しなければならない
質の高いものでなければ子どもの顔つきははっきりしてこない、強靱な子どもは育たない。

4 教師は子どもが見え、教材が見えなければならない
○ あくまでも事実に即して考えること
目の前の子どもが出来ないことがあったら、それは教師のやり方が悪いのだと考えなければならない。子どもがよくなれば教師の指導に優れた原理原則が含まれていることである。自分の目で見て、自分に取り入れてくことが大切である。
○ できるだけ形式を排除すること
形式に寄りかかると、形ばかりが目について子どもが見えなくなる。今ある形式が子どもの力を阻んでいないか
○ はだかになって学ぶこと
苦労し努力しなければ素晴らしいものは生み出すことはできない。自分でよいものを創り出すためには大いに恥をかかなければならない。
○ 教育は総合的な営みである
たとえ技術はなくても教師の持つ人間性が子どもを創ることもある。したがって自分がより人間的な人間となるために、良いものを見たり、体験したりし、自分の精神を肥やすことを大切にしたい。

私がしてきた学校経営

2012-01-22 17:40:53 | Weblog


1 学校経営は、職員に校長の願いを伝えることである。
価値観の異なる教師を束ねることが最大の任務である。しかし、1つにできない場合、少しずつ仲間を増やしていくことである。仲間とは、授業方法や子どもの可能性に対して考え方を共有できることができる人である。

2学校経営は、授業の質を高めるために授業方法の理論と子どもに対する願いを共有することである。そのために「課題追求方式の授業」を根本とする
○「課題追求方式の授業」は、教材の本質を見極めることができる。
○ 全員の子どもを勉強に参加させる。一人の子どもも放置しない。理論を持ち、意見を主張し、意見の違いを聴き取り、真実を求め、勉強の仕方を身につけた子どもを育てる。
○ 子どもが授業を創る。参加でなく、子どもが自ら勉強し、授業を創っていく。                    ○ 「課題追求方式の授業」は、美や真実や本質を求め、子どもと教師がともに成長していく。

3学校経営は教育の内容を絞って重点化することである。  
○ 文学の授業の読み取りや朗読を中心にした国語
○ 歌唱を中心にした音楽
○ マットや跳び箱、柔軟運動などを中心にした体育        
○ オペレッタや創作を中心にした総合表現
○ 描画や版画を中心にした図工         
○ 運動会や合唱祭や公開研究会を中心にした学校行事
以上が、子どもを伸ばす学校教育の内容である。1つのことができると他の能力に転移する。
※ なぜ上記のものをあげるのか
ア 栄養素と同じである
イ 授業の方法がわかる
ウ 教師の指導力をつける
エ 達成感を得ることができる
オ 子どもに自信や勇気を与える

4 学校経営は先人の指導を受けることである。
講師を間違えると悲惨である。理論と実践が異ならない。思想と授業の理念が1つになっていることが大切である。

万引き・・・その指導

2012-01-18 22:24:46 | Weblog



井上ひさし著「ふふふ」の中に「万引き」と題した短い文がある。これは実際に井上ひさしさん自身が体験したものであようだ。
 この文に登場する店屋のおばあさんの万引き者への対処が見事なので紹介する。
 時代は古いものであるが、何かしら万引き者への指導の参考になるのではないかと思う。

中学3年の春、転校先の岩手県一関市の書店で、わたしは生まれて初めて万引きというものをした。・・・・・あのときの〈世界から外れてしまったようなおそろしさ〉を今も忘れることができない。「坊やにお話がある」
おばあさんがいつのまにかわたしの横にいた。
「ちょっと奥へおいで」
「あたしが警察へ連れて行こうか」
 入れ替わって店番に立ったおじいさんが言うのを手を上げて止め、おばあさんはわたしを裏庭の見える縁側の前へ押して行った。
「上着の下に隠したものをお出し」
 震えながら差し出すと、おばあさんはその英和辞典をしげしげと見てから、
「これを売ると百円のもうけ。坊やに持って行かれてしまうと、百円のもうけはもちろんフイになる上に五百円の損が出る。その五百円を稼ぐには、これと同じ定価の本を5冊も売らなければならない。この計算が分かりますか」
 四百円で仕入れて五百円で売っている。簡単な計算だから、こわごわ頷くと、
「うちは6人家族だから、こういう本をひと月に100冊も200冊も売らなければならないの。でも坊やのような人が月に30人もいてごらん。うちの6人は餓死にならなければならなくなる。こんな本1冊ぐらいと、軽い気持ちでやったのだろうけど、坊やのやったことは人殺しに近いんだよ」
恐ろしくなって縮み上がっていると、おばあさんは庭の隅に積んであった薪の山を指して言った。「あの薪を割ってお行き。そしたら勘弁してあげるから」・・・・・・・
「よく働いてくれたねえ。あとは息子がやるから、おにぎりを食べてお帰り」
そして驚いたことに、お金を七百円、わたしに差し出してこう言った。
「薪割りの手間賃は七百円。安いと思うなら、どこへでも行って聞いてみるといい。七百円が相場のはずだからね。七百円あれば、坊やが欲しがっていた英和辞典が買えるから、持ってお行き。そのかわり、このお金から五百円、差っ引いておくよ」
 このときわたしは、二百円の労働と、英和辞典1冊と、欲しいものがあれば働けばいい、働いても買えないものは欲しがらなければいいという世間の智恵を手に入れた。まったく人生の師は至るところにいるものだ。もちろん、それ以来、万引きはしていない。おばあさんの説明で骨身に沁みたからである。

公開授業研究会のお知らせ

2012-01-16 21:53:47 | Weblog


 他校の公開研究会を参観して、自分の授業づくりや学校づくりに明日からでも取り入れていけるような実践は、一般的にはどこでもやっているといえよう。しかし、その実践は形式的、概念的なものが多く、見る者を感動させたり、驚かせたりするものが少なかった。ゆえにその実践に憧れ自分や自分の学校の授業に取り入れていくというようなエネルギーが湧かなかったことが多い。 その点、下記に紹介する学校の公開研究会は、授業改善に大変参考になるはずである。是非多くの先生方に参観していただきたい。特に私の関わった若い先生方には勧めたい。チャンスですよ。


1 日時 平成24年2月11日(土)9:30~16:00

2 場所 東京都青梅市友田町5-332
    TEL 0428-24-2117

3 学校 東京都青梅市立友田小学校

4 研究主題 
 「子どもの無限の可能性を引き出し高める授業の創造」
 ー論理的思考力を育てる課題追求 国語科を通してー

5 内容
○国語公開授業(全学年)
○国語提案授業
○研究協議

 講師
  宮坂義彦(元三重大学教授)・戸田淳子(元長野県伊那市小学校)

6 詳しくは友田小のホームページで調べてください。

第19回 授業研究の会(浜松の会)の研修報告

2012-01-15 21:54:44 | Weblog


研究会テーマ:~「教師が変わる、授業が変わる、子どもが変わる」~

1 開催場所 天竜壬生ホール第2会議室

2 開催日時
  平成24年1月14日(土)9:00~12:00

3 研修内容

(1) 近況報告

(2) 実践発表と実技研修

◎国 語

○5年 物語文「わらぐつの中の神様」(光村図書)
今回は、定番である大問題《大工さんは、なぜわらぐつを買ったのか》そして、展開の核として、大工さんの「ふうん。よし、もらっとこう。いくらだね。」を解釈するのでなく、
・・・・おみつさんは、いつのまにか、その大工さんの顔を見るのが楽しみになっていましたが、こんなに続けて買ってくれるのが不思議でもあるので、とうとうある日、思い切ってたずねてみました。・・・・の文中の「思い切ってたずねてみました」の理由を考えました。おみつさんに視点をおいて考えるのもよい授業ができることが分かりました。いつものように模擬授業ふうに、みんなで考えを出し合い、とても充実した楽しい時間でした。

○ 野口芳宏著作集 鍛える国語教室4 授業研究の新しい方法(明治図書)から学ぶ
わたしたちの研究している課題追求方式の授業の考え方と大変似ていることが分かりました。

○ 2年 物語文「スーホー白い馬」の授業記録

◎ 体育(資料提供)
・逆上がり等のタオルを使った補助具の作り方
・横回り、側転、前回りなどの方法

◎ 図工 資料提供
「祈りの手」(コンテ画)の指導法

◎ 学校づくり
学校を変える校長の仕事(教育論文より)

4 次回の予定
(1) 日 時 平成24年 2月11日(土) 9:00~12:00
(2) 場 所 浜松天竜壬生ホール第2会議室

5 その他
  この会の研修内容や実践の証、考え方は下記のブログをご覧になれば、おおよそ理解できると思います。検索してください。
○ totoroの小道
○ 藍色と空色と緑のページ(各教科等の実践が掲載されています)
○ 松明光明
○ 浜松授業研究の会

第19回 授業研究の会(浜松の会)の御案内

2012-01-10 10:02:25 | Weblog



第19回 授業研究の会(浜松の会)の御案内


~「教師が変わる、授業が変わる、子どもが変わる」そんな研究会です~

 一つの授業にじっくり時間をかけて取り組んでいない。何をしても中途半端な授業になってしまっている。やっつけ仕事になってしまっている。おそらく大半の学校の教育の実態でしょう。
 それがあまり問題視されず、改善されないのは、子どものほんとの力の凄さを知らないからです。子どものほんとうの力を引き出すような授業の経験が少ないからです。だから子どもを見くびって「これでよし!」と思っているのでしょう。または、そう感じていても、どうしたらよいのかその方法を知らないからでしょう。これらの解決は、校内研修ではなかなか困難です。同僚や先輩教師に教えを請うても難しいことです。私の今までの長い経験で感じていることです。
この浜松の会では「教師が変わる、授業が変わる、子どもが変わる」をテーマとして研修しています。ここでの学びは、具体的であり、実際的であり、実質的なものです。それだけに確実に得るものがあり、上記のテーマの実現が可能です。
この会は、偏向的な教育や思想はしていませんので、安心して学ぶことができます。どなたでも自由に参加できます。まだ、参加されたことのない方は、是非覗いてみてください。
 多くの皆さんの参加をお待ちしています。

1 開催日時
  平成24年 1月14日(土)9:00~12:00

2 開催場所
  浜松市天竜壬生ホール第2会議室

 ※時間厳守ではありませんので参加できる時間で結構です。
 ※駐車場はあります。

3 研修内容
○ 国語を中心とした各教科
○ 音楽、図工、体育などの実技教科
○ 学級づくり
○ その他

4 準 備 物
○ 実践したもの(ある人)
○ 教材研究をしてほしい教材がある人(10部印刷持参)
○ 筆記用具
○ 国語辞典
○ 会費 300円
○ 服装は自由

5 この会の研修内容や実践の証、考え方は下記のブログをご覧になれば、おおよそ理解できると思います。検索してください。
○ 浜松授業研究の会
○  totoroの小道
○ 藍色と空色と緑のページ(各教科等の実践が掲載されています)
○ 松明光明


最後の学期です。よい授業で子どもたちに力を!

2012-01-09 13:53:37 | Weblog
 


 3学期が始まりました。よい授業で子どもたちに力をつけて終えたいものです。        
授業の評価項目をあげてみました。自分の授業に照らし合わせて評価してみてください。

1 教師は、子どもの発言を注意深く丁寧に聴こうとしているか。

2 教師は、言葉を一つひとつ丁寧に選んで、じっくり話しかけているか

3 子どもの朗読は、課題を持って、気持ちを込めて読んでいるか

4 子どもは、友だちや先生の話を耳をすまして聴こうとしているか

5 子どもは、話し手を見て、反応して聴こうとしているか

6 教師は、自分の解釈をしっかり持っているか

7 子どもは、自分の考えを持ち、表明しようとしているか

8 教師は、子ども間の相互作用を促すように配慮しているか

9 対立問題をつくり、複数の考えを整理分類(選択肢AとB)ができたか

10 学級内に対立が生じ、緊張感ができたか

11 文や言葉のイメージを変えることができたか

※ これらは、国語指導をイメージしたものですが、全ての教科の指導に生かされるものです。

客に背を向けるな

2012-01-06 12:01:32 | Weblog


次の文は、書籍「ふふふ」井上ひさし著からの引用であるが、私たち学校教育での表現活動(演劇、オペレッタ、舞踊)において大いに参考になると考え掲載した。以下の文である

 すぐれた演出家でもあった千田是也さんと話しをしたときに、実はこれがあらゆる俳優の第一の心掛けだと分かったのである。
「先生からご覧になって、日本一の名優は、だれだとお思いになりますか」
そう訊くと、千田さんは言下にお答えくださったのである。
「瀧澤 修こそ本邦最高の名優でしょう」
その理由はこうである。
「彼と芝居をしているとするでしょう。ところが、そのうちにふっと気がつくと、いつの間にか、こっちが客に背を向けているんですよ。そこが天才であることの理由なのでしょうが、彼は相手役が客に背を向けてしまわざるを得ないように、巧みに場所取りをしてしまうんです。どんなに抵抗してもだめですね。必ずこっちは客を背中に背負ってしまっている。役者が客に背中を向けてしまっては負けです。役者というのは客に顔を見せるのが仕事ですからね」


※この場合、顔とか体を客に対して正面に向けるだけという意味ではない。客に背を向けても、表現する演者自身の漲るエネルギーや強さを失うことなく堂々と演じすることが大切であるのではないだろうか。

元旦と人間だけが思う朝

2012-01-01 07:07:22 | Weblog



新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

私は新年を迎えるといつも次の俳句を思い出します。


○ 元旦と人間だけが思う朝
            渡辺真砂


庭で鳴くすずめも、飼い犬も猫も、山にいる狸や狐も元旦は関係がない。
人間だけが年の初めで心新たになるのである。
私のようなものにとってはこのような区切りのあることで心機まき直しできるのである。
今年もよい年になるように努力したいと思います。