ゆきのさんのブログを見て、蝉頃(詩:室生犀星)の授業を思い出しました。この授業は、昭和54年11月1日宝塚市立逆瀬台小学校の教育研究会で行われたものです。
授業者は細田椙子先生でした。今でもはっきりと覚えています。
蝉頃
室生犀星
いづことしなく
しいいとせみの啼きけり
はや蝉頃となりしか
せみの子をとらへむとして
熱き夏の砂地をふみし子は
けふ いづこにありや
なつのあはれに
いのちみぢかく
みやこの街の遠くより
空と屋根とのあなたより
しいいとせみのなきけり
授業の展開は次のようでした。
○しいい・・・・どのように読んだらよいか
○はや蝉頃となりしか
1年月のめぐりが早い
2その一年は良い年でなかった
3仕事がうまくいかなかった
○ふみし子はいづこにありや
1死んだ自分の子どもがいない
2自分の幼き日の姿がない
○「あはれに」はどこに係っているか
1前の三行
2夏の
3いのちみぢかく
○みやこの街の遠くより
空と屋根とのあなたより
しいいとせみのなきけり
1ほんとうは、すぐ近くの木立でないているのだが、作者には遠くに聞こえてわびしく、かなしい
2作者の心の中で聞こえている
子どもから出た考えや教師から提示された考えをもとに、話し合っていました。6年生の子どもたちが言葉一つ一つに着目し、大人でも及ばないような質の高い授業でした。
※ニイニイゼミは愛知のゆきのさんの所では鳴き出しているようですが、天竜ではまだです。私も蝉は大好きです。子どもの頃は、「蝉捕りの秀ちゃん」と呼ばれました。