松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

学校の文化

2010-04-29 10:22:59 | Weblog

 
学校はハード面つまり、ハコものと制度はしっかりしているが、その中に流れるソフト、文化の面が貧弱である。そして、どこの学校もほぼ同じである。
それぞれの学校の授業や行事などの文化が途絶えてしまったのか、それとも最初からなかったのか?。
 とにかく、その学校独自のものが少ない。その学校で練り上げてきたものが見あたらない。洗練されてきたものがない。
例えば授業では、どこも同じような方法で教えている。行事でもその形式と内容がほとんど同じである。変に教育の機会均等である。
 これでは学校の質的向上は得られない。
 意識的に新しいものを見たり、価値観の異なるものを見たりしていかなければいけない。それぞれの学校は内側から変えていく必要がある。

哲学、思想が持てない教育現場

2010-04-26 10:58:02 | Weblog

 
 文科省や教育委員会の小手先、対症療法的な改革、右から左へ、一方から一方の端へと大きく揺れ動く改革、これこそ教育の哲学、思想がないと言えよう。
 現場は現場でその学校や校長の哲学、思想があまり見えてこない。楽しい学校をつくるとか、分かる授業をつくるとか、思いやりのある子どもをつくるなどは当然のことであって、教育哲学とか思想などと言えたものではない。
 大切なことは、その学校や校長の強い明確な願いやビジョンがあることである。また、楽しい学校をつくるとか、分かる授業をつくるとか、思いやりのある子どもをつくるなどというようなスローガンだけでなく、これらを具現化するにはどうしたらよいかという具体的な方策が必要である。そしてさらにその実践力がなければならない。
 そのためには、校長は、自ら先進校である学校を視察したり、講師を招いたり、教育書を読んだりする勉強が欠かせない。
 「職員がやってくれるだろう」ではダメである。よく「職員が主体的にやってくれている。それが一番尊いことだ」と呑気なことを言っている校長がいる。しかし、それはその程度のことしかできないのである。校長(経営者)は、もっと高いものを目指さなければならない。学校が変わらない一つの原因はそこにあるからである。

国語4年「三つのお願い」初任者の授業から

2010-04-20 12:40:09 | Weblog


 授業の後半で子どもの学びが集中してきた。その部分の授業の展開を記してみる。

1 この時間に扱った教材文は以下である。

 ①えいがに行くときも、歌の練習をするときも、いつもいっしょだった。②二人で、あちこちがきらきら光っている、ダイヤモンドみたいな大きな石を見つけたこともある。③二人でいっしょに、学校の絵をかいたこともある。④ビクターは、すっごくいい友だちだ。⑤わたしのひみつを、ほかの人に話したりしないし。⑥あんな友だちは、なかなかいない。
「いい友だちがいなくなって、さびしいよ。もどってきてくれないかな。」
わたしは、一セント玉をぎゅっとにぎりしめて、小声でそっと言った。なんだか悲しくてしようがなかった。

2 授業記録

T「いい友だちがいなくなって、さびしいよ。もどってきてくれないかな。」
とい気持ちになったのは、この会話文より前なのか、後なのか。どちらですか。
C前にあります。
Tでは、前の文のどこですか。文を分けてみるよ。いくつの文からできている。
C6つです。
T(上記のように①~⑥に分ける。)
Tでは、どこなのか①~⑥の中で決めてください。
C①、②、③、はなし、④は13人、⑥は16人
Cはビクターと遊んだ思い出だけである。⑤も同じです。

 残念ながら授業はここで時間がなくなり終わってしまった。この後は、もう少し④と⑥について、どちらなのか話し合わせたかった。例えば④の「すごくいいともだちだ」の内容は何か、「すごく」ってどういうことか。⑥の「なかなかいない」からどうしたのだ。「あんな」って何。等々である。

3 授業の考察
初任者の4月初めの授業である。しかし、やりようで子どもは集中するし、文や言葉を読むようになる。またよく考えるようになる。
この場合のやりようとは、何か。それは、「答えは前にあるか後にあるか」「①~⑥の文のどれか」という選択肢のある問題を提示したことである。この発問は、文章にかえる問題である。読まなければ選択できない。また、比べるという作業を伴うことで考えることも要求される。この時に、子どもの学習に対する全員の参加がなされる。これだけでも子どもは学習に集中し、興味を持つのである。何が正しいのかディスカッションする必要も生まれてくる。
 これが、一般的には「いい友だちがいなくなって、さびしいよ。もどってきてくれないかな。」と言ったときのノービィの気持ちはどうですか?とやってしまうことが多い。これでは、誰にでも答えられるし、考えなくてもよい。同じような答えが子どもたちから返ってくるだけで、ディスカッションする必要もない。文や言葉に注目する必要もないのである。

追求型の授業の効果

2010-04-16 22:35:48 | Weblog


  4月から新学習指導要領実施を控えての移行措置期間が始まった。
 新学習指導要領「国語科」の内容や考え方に関するキーワードの代表的なものは、活用、思考力、判断力、言語活動、言語文化、また、繰り返しによる基礎・基本の定着であろう。大別すると、知識の習得と思考力、活用力と
と言ってもよいだろう。
 さて、このような力を育む授業はどうあったらよいだろう。
 私は「追求型の授業」がよいと思われる。「追求型の授業」は、私が学んでいる授業法であり、いくつかの学校で大きな成果を上げている。
「追求型の授業」の特徴は、知識の習得と思考力、活用力の育成を同時的に行うものであり、それらを分離することなくできるのである。そのために大変自然であり、効率的であり、面白いのである。一例を出してみよう。

雪とけて 村いっぱいの 子ども哉
        小林一茶

◎学習課題「いっぱい」とは、何がいっぱいなのか?
○子どもの学び
①「いっぱい」の意味を考える。 ・・・思考力
②「いっぱい」の意味を辞書で引く ・・・習得力、活用力
A可能な限り、限度ぎりぎり
Bあふれるほどたくさん
③この場合はAかBか、どちらの意味がふさわしいのか ・・・思考力
④村にあるれるほどの子どもがいるとは考えにくい ・・・思考力、活用力
⑤「いっぱい」を使って、短文を作って考えよう ・・・活用力、思考力
⑥では、何が「いっぱい」なのか? ・・・思考力
⑦長い期間の大雪で、家に閉じこめられていた子どもたちが『やっと雪がとけて』外にでられた様子である ・・・思考力、習得力
⑧村は子どもたちの活気で満ちあふれていたに違いない。その、子どもたちの元気よく遊ぶ“声”が、『村いっぱい』なのだ ・・・習得力
⑨上手に読んでみよう・・・習得力
⑩一茶の他の俳句を調べてみよう ・・・活用力
 大雑把に言うとこのようになる。1つの課題で知識、思考力、活用力を同時に学ぶことができるのである。

学年はじめの指導、もう少し具体的に

2010-04-09 22:47:42 | Weblog

1日目に入れたい力

「集中力」
子どもがじっと見ていた。聴いていた。その姿をとらえたら、
「これが(集中する)ってことだよ。」

・じっと先生の方を見つめて、話を聴こうとしている。
・字を書く時に、読み始めている。・繰り返して言える。
・うなずいたり、つぶやいたりしながら聴いている。
・質問に一度でこたえられた。

「対応力」
・あいさつして、それに合わせてあいさつを返してきた。・言ったら、返してくる。
・廊下を歩く時に、前から来る人を上手に避ける。
・「これって、(対応力)っていうんだよ。あなたは、もうできている。すごいね。」

「挑戦力」
・自分で頑張って解決をしてみたい。「やらせて!」

「聴く力」
・うなずいたり、つぶやいたりしながら聴いている。・友達の話をきいて、反応できる。
・しゃべって、うるさい子「あなたは、よく聴いているから、反応できている。すごいことだ。」・誉める・・・「こんな価値があるんだよ。」・・価値付けをする。

「自主性」
・「先生から言われたら、誰だってできる。言われなくてもカーテンを開けてくれたりするのが自主性と言うんだよ。」

「表明力」
・自分の考えを言える。

「気働き」
・ノートの四隅をそろえてくれたら、
「これは(気働きと)いうんだよ。素晴らしい力をもっているね。いつ習ったの?」
    
「優しさ」「人を大切にする力」

・「いつ習ったの?誰から習ったの?そう、あなたの身体のなかにちゃんとそんな力はあるんだね。」

・「明日言おうと思っていたことなんだけど、あなたはもうやっているよ。素晴らしい。」

・宿題をよく忘れる子には、「この字、きれいやね。明日もこの字見たいな。」
・丁寧に◎をつけてあげて、耳打ちし、前もって手を打っておく。

                              ゆきのさんのブログより

この4月の最初、何を指導したいか

2010-04-07 11:51:06 | Weblog
 


 前ブログで最初の3日間は黄金のように大切であると書いたが、では何を指導したらよいだろうか。書き出してみる。
 初任者の「授業」や「生徒指導」「生活指導」を見ていて、共通して言えることがある。ここでは、課題となる面について記してみる。当然、初任者に多いということであるので仕方ないことであるが、1日も早くこれらのことから抜け出すことが大切である。
なお、これらのことは、初任者としたが、若い教師や経験の浅い教師にも言えることである。

◎ 授業、その他の指導において
① 始まる時刻に子どもは自分で自席につけるようにする。
② 次の時間の学習用具を机上に出して休み時間にさせる。
③ 授業終始のあいさつに時間をかけすぎない。
④ 配布物に時間をかけない。どのように配布するか工夫する。
⑤ いつも全員を対象にして授業をする。
⑥ 教師と子どもの関係だけで授業を進めない。
⑦ 個人指導をしているとき、他の子どもの学びをゆるめない。
⑧ 教室に長い列がでないような工夫をする。(ノート点検やテスト直しのとき)
⑨ 次の学習の指示をしっかりする。(やり終えた子どもが遊んでしまうから)
⑩ ノートに書く日付やめあてなどに時間をかけすぎない。
⑪ できるだけ子どもから出た意見で学習の展開をする。
⑫ 「はい」と言って挙手をさせない。黙って挙手させる。
⑬ すぐに指名をしない。(他の子どもが思考停止するから)
⑭ 発問や指示をいろいろ変えない。(教師の言っていることが理解できないから)
⑮ 教師は室内を動き回らない。余分な動きはしない。
⑯ 計画的に読み、書く、グループ学習などをさせる。
⑰ 課題や発問を具体的にする。
⑱ 机間指導には補助簿を持っていく。(子どものよい考えを拾って授業に生かす)
⑲ 静かな授業のよさをわからせる。(教師はわいわい活発な授業がよいと勘違い
   している)
⑳ 単元計画がしっかりして指導する。場当たり的な指導をしない。
○ 学習中でも安易にトイレに行かせない。(どんどん自席を立つ子どもが増えてしまうから)
○ 教師の話
・子どもをしっかり見て話す
・聞いていないのに話し出さない。
・一度に多くの指示を出さない。
・メリハリのある話し方をする。
○ よい意見や行為をタイムリーに言葉にして褒める。(声に出さないと子どもは
   わからないし、他の子どもにもよさが伝わらない)
○ 余分な音(机や椅子、本や筆記用具が床に落ちる音、子どものざわざわした声
など)が気になるようにする。
○ 細かなことまで世話をやかない。(子どもは自立できないから)


黄金の3日間

2010-04-04 22:46:20 | Weblog



  いよいよ新年度が始まった。新しく受け持った子どもたちをどのように育てるか思いを巡らしていることと思う。しかし、まずそのことを考える前に前年度の学級づくり、授業づくりの反省や評価をすることが大切である。せっかく1年かけて実践してきたものだ、こんなに生きた学びはない。このことを丁寧にやらないと具合が悪かったものは必ず二の舞になるからである。
 人間の癖はなかなか抜けないものである。
  さて、新しく新年度がスタートした。大切なことは最初の3日、1週間である。よく「黄金の3日間」と言われている。それは、はじめの指導の徹底が1年を決めることが多いからである。のんびりしていると取り返しがつかなくなる。
 最初の3日間は、子どもたちは教師の出方をよく見ている。それにこちらの要求する指導を実によく受け入れてくれるものである。
 私(担任)はこういう人間(教師)であるということをしっかりと子どもにわからたい。先生の言うことをしっかりやれば1年間楽しく過ごせることをわからせたい。
次に何を子どもに指導するかを考えなければならない。そこで去年の指導の反省が生きてくる。ノートにしっかりと指導の項目を書いて、指導に当たりたい。その時に留意することは、指導の①徹底とその②継続と③見届けと④褒めることである。②③④がなかなかできない教師が多い。②③④がしっかりできてくると子どもが自立的にするようになる。

初任者、若い教師へ「教師としての職務と心構え」

2010-04-01 18:45:20 | Weblog
                                                                                  

 初任者や若い教師の皆さん、特に初任者の先生方へ教師の仕事の入口として、まずは大切なことを列挙してみました。

1 教員の身分
(1) 地方公務員、教育公務員  
(2) 全体の奉仕者
2 教職員の職務
(1) 勤務と服務
① 出勤簿の捺印
② 出張(旅行命令簿・復命書の提出)
③ 休暇の種類と取り方
④ 守秘義務
⑤ 信用失墜行為の禁止
(2) その他
保護者、来客、電話への対応
3 出 勤
① 教師の仕事は、毎日毎日、子どもと衝突し、教材と衝突し、自分と衝突しながら、創造的な実践をしていかなければならない。息のつまるような厳しい仕事である。
② 教師の不登校症
原因                            
○子どもとの関係がうまくいっていない
○ 学級の経営が行き詰まっている
○ 教室の雰囲気が悪い
○ 教師同士の軋轢がある
対処法
○ 1日の仕事のイメージを持つ
○ 楽しいイメージを描く
○ 「住めば都」から「都にして住む」
4 仕事の内容
実践にきびしく心を向ける
 自分の夢を求める仕事、給与をいただく仕事が第一、次に自分の趣味、趣味におぼれないこと
自分のものをしっかり持つこと、新しいものに安易に飛びつかない
5 教育という仕事の特質
(1) 教育はあくまでも子どもの現実に出発し、子どもの心の上に帰るものでなければならない。
(2) 形として誰の目にも分かるように成果を具体的に出す。
(3) 可能性を引き出す仕事
① 与えるのでなく、引き出す
② より高い目標に向かって追求すること
  発達のとらえ方
③ 子どもの成長を助ける
  主体性を育てる