文科省は、2016年度全面改訂、2020年度本格実施される予定の学習指導要領のなかで「アクティブ・ラーニング」の重要性が記されている。
アクティブ・ラーニングとは、「子どもが課題を見つけ、解決に向けて探究し、成果を表現するまでの過程を、学ぶ側が主体的に行う学習方法」である。
S先生の国語の授業はまさにアクティブ・ラーニングそのものである。
いくつか例を挙げてみる。
○子どもが課題をつくっている。それも今までの教師の指導により、話し合わなければ簡単に解決できない課題である。
○子ども同士の話し合いが自然にできている。グループの中で、全体の中で。
○指示されなくてもどんどん辞書を引き、文章にある意味を見つけようとしている。
○発言を教師から促されなくても自分たちで進んで発言できている。
○互いに聴き合うことを大切にしようとしている。
○子どもたち全員が課題が明確になるように、課題が追求できるように、黒板に教科書の文章が貼りだしてある。
○形式的な規則を省き、リラックスした雰囲気の中で授業が展開されている。
○教師が子どもから多様な考えが出るように、待つ姿勢ができている。
○いくつかの文章を分けたり切ったりして選択肢を設け、子どもに考えさせている。
○教室には、今までの学習で獲得できた言葉のきまり等が掲示してある。
○その他
アクティブ・ラーニングの有効な方法は上記のようなことができなければ効果はないと思う。そういう意味でこの授業は具体的な示唆になりえると考える。
次回はこの授業「ごんぎつね」について考えてみる。