松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

2020年、新学習指導要領を迎えて、学校教育の「質」をどう高めるか、これが難しい

2020-08-20 21:29:14 | Weblog
                     「浜松授業研究の会」の研修風景
 
 クオリティ「質」に対する言葉はクオンティティ「量」であって、とかく学校教育はあれもこれもと盛りだくさんになりやすいが、量的な対応が多くなると形式的に「教育内容をこなす」ことだけに精一杯になりやすい。
 実のところその危惧は新教育課程にもある。主要教科の授業時数のみでなく、新たな教育内容が盛り込まれたことから「教育内容の変化に対応できない」という教師が増加しているという実態がある。加えて、地域や保護者からの要望が多様化していることもある。
 与えられた教育内容をこなすだけの「あるがまま」の学校教育に安住するのではなく、教育の質を高める学校教育を創り出すというクオリティ・スクールの実現が、これからの学校が目指すあり方になると考える。
                      教育創造研究センター所長 高階玲治

 上記の高階玲治所長の「学校教育の『質』をどう高めるか」は大変重要なことが述べられている。そもそも新学習指導要領は、日本の子どもの学力低下のために、学びの「量(内容・時間数)」を増やすといった発想から改訂されたものと言ってもよいだろう。学びの量を増やせば学力が向上するという短絡的な考え方である。教育現場を知らないものの考えである。
 学びの量を増やすということは、教師中心の授業になり、教え込みの授業になり、子どもの思考力の育みを阻害するとともに、学習の楽しさをも奪う、そのために学習嫌いの子どもを増やしてしまうということを考えなければならない。学力低下を防ぐという目的が逆に学力低下を助長してしまう結果にもなるということも考えなければならない。


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