ドッジボール大会等のイベントをやって、仲間づくりをすることが学級づくりと考えている先生がいないだろうか。しかし、そんなことで学級づくりなどできるものではない。学級づくりは授業の中でするものだからである。
学級づくりの原則には次の3つの柱があると考える。1つは「学級の雰囲気づくり」2つは「子どもの価値観を変える」3つは「子どもの学習能力の形成」をするである。以下、述べてみる。
1学級の雰囲気づくりをする
重要なことは、安心してものが言える学級の雰囲気をつくることである。分からないことがあたりまえ、まちがっても大丈夫をしっかりと子どもにわからせたい。
2子どもの価値観を変える
子どもの価値観は、授業とはこういうものだとうことを変えることである。つまり、授業とは先生が教えてくれるものだ。ということから、授業とは僕たちが進めていくものであると。学級とはみんなで何か一つのものをつくっていくところだと。友達とは自分たちの価値観を高めるものだと。自分観とは自分としては、こんなことしかできない限界があるのだというようなものから、やればできるものだと変えていくことである。
3子どもの学習能力の形成をする
1つは自分の考えを持つ、そして自分の考えを言う、そして、人の考えを聞く、これが基本である。そうして、コミュニケーション能力を育てる。あとは、問題をつくる能力だとか、証拠を見つける能力だとか、イメージを持つ能力だとかである。
とりあえず自分の考えを持つ、①か②か全員手を挙げる、これが全員参加になる。あと、意見を持つ、友達の考えを聞く、この3つを4月(1学期ができなかったら9月の始め)最初に徹底してやり続けることが大切である。大事なことは教師が妥協しないことと徹底してやる姿勢である。徹底とは2つあって、子どもにやり切らせること(つまり,教師がやりきること)と一人の子どもも残さないことである。
私たちはよく体育などをやっていて、跳び箱など5,6人ができなければ、このままできなくてもいいや、となる。もし、そこでできない子どもをつくってしまうことになると他のことでもできない子どもをつくってしまうことになる。必ず全員ができるようにすること、それが原則である。本当に体の肉体的なことでできない場合はしかたがないけれどもできることはやらせることである。だから意見を持たせるというのは、必ずできるのでやらせなければならない。
もう一つは価値観の徹底である。「教室は間違うところだよ」と言っておきながら、子どもがガラスを割ると「だれがやった!」「どうして割った!」と叱る。「友達の間違いから学ぶ」と言っておきながら、指導が一貫していない。いつも「自分で課題を求めて行動してね」と言っておきながら、「はい、一列に並びましょう」などと指示命令をやっている。これでは子どもは先生の価値観で生きていくことになる。先生の言うことでしか動かない人間になってしまう。だから、指導の徹底とか一貫とかは大切である。
ただ、学級づくりというのは、生徒指導と同じように授業の中でやることが大切である。よく学級経営は授業とは別のところでと考える先生がいる。ドッチボールをして楽しくやろうとか、仲間づくりをしようとか、イベントを打つ、それは本物にならない。授業の中で追求していく子どもをつくることによって学級づくりをすることである。