松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

自覚と随意が必要6年生「台上頭支持前方転回」の指導

2021-06-04 10:59:50 | Weblog

 次の文章は私が光明小学校に勤務していたときに書いたものである。6年生の先生方が運動会に向けて跳び箱運動である「台上頭支持前方転回」の指導をしていたときのものである。今振り返ってみると、この指導の中に「自覚と随意」に関することが入っていることに気づく。紹介しよう。

 6年生は学年全体で、体育の器械運動である「台上頭支持前方転回」に挑戦している。運動会での発表演技に向けてである。この種目はけして簡単にできるものではない。私は6年の先生が、この種目を選定したことに大きな意義を感じている。簡単にできる種目をたくさんやらせても子どもの教育にはならない。「できないもの」を工夫を重ねて「できるようになる」そのことが子どもにとって大きな自信や喜びになるからである。また、教師としては、指導技術の向上につながるからである。
  何回か授業の様子を見せてもらった。まず、教師の「台上頭支持前方転回」の勉強から始まった。教師がこの技を教えることができなければダメである。次に教師は、子どもの演技を見て「できる子」「できない子」から、なぜできるのか、なぜできないのかの原則を見つける。だから、学級集団の中に「できる子」「できない子」がいることはとても大切なことである。特に「できない子」がかかえている問題の解決こそが、みんなができるようになっていくすじ道がある。
 子どもたちには、それぞれの教科で得意不得意がある。お互いに「できない子」の切実な問題を子どもたちの集団の問題としてとらえることによって、教え合い・学び合う学習ができていく。         
  今ではかなりの子どもがこの技ができるようになってきた。もちろん、まだできない子も多い。しかし、全員の子どもたちが、この技のイメージを持ち、集中して学習に取り組んでいる姿を見ると、単に「できる」「できない」の問題ではないように思える。この「台上頭支持前方転回」の学習は、子どもの心と体の成長に大いに役立っているのは確かである。


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