教育という仕事は、教師の具体的な発問とか説明とか動作によって、子どもたちのなかにもともとある、よいものを引き出していく仕事である。したがって教師の発問とか説明とか動作とかは、目の前にいる子どもたちの発言とか動作とかの事実に即して、具体的に直接的に出されていくものでなければならない。
しかし、教師の発言とか説明とか動作とかにはそうでないものもある。子どもたちが朗読をしたり、合唱をしたり、跳び箱運動をしたりしてるとき、「よく読めました」とか、「上手に歌えたね」とか、「もう少し」などと言っているのがそれである。
これでは子どもたちは、「どうよく読めた」のか、「どう上手に歌えた」のか少しもわからない。どこが足りなかったのかわからないからなおしようもない。子どもたちは自分の力の出しようがないわけである。授業のなかで子どもたちが鮮明に変化していかないのもとうぜんのことである。
※「よく読めました」とか、「上手に歌えたね」とか、「もう少し」などは、教師でなくても、普通のお父さんやお母さんでも言えることである。専門職としての教師としては、子どもたちの言動を分析し、的確で具体的な指導をしなければならないと思う。
※お知らせ
第35回 浜松授業研究の会
日時 9月14日(土)9:00より
場所 天竜壬生ホール第2会議室